日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

インフレ

20240425 ドイツ政府経済見通しのエッセンス

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/04/20240424-fruehjahrsprojektion-2024.html ドイツ政府が昨日発表した春季経済見通しのエッセンスは以下の通り: 概ねコンセンサス通り(上表ご参照)の予測値ながら、今年の成長率0.1%上方修…

20240423 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ車の中国シェアなど)

①中国市場におけるドイツ車のシェア~年々減少が続く。中国車の台頭と共に、中国経済低迷に伴う高級車需要の減退が背景。 ちなみに各メーカーの売上に占める中国シェア(2022年)は、VW:40.0%、ベンツ:36.8%、BMW:33.0%、テスラ:33.5%、トヨタ:17.1…

20240420 週末のBloombergより

youtu.be ◆パウエル議長の利下げ前のめり度撤回で「Hiher for Longer」が再びキーワード化。一部には次の一手が利下げではなく利上げなのではないかという声(UBSなど)も上がり始めている。◆もうすぐ利下げ、と期待して積み上がった米債のロングが逃げ遅れ…

20240418 ドイツ連銀月報経済分析部分のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグ…

20240416 IMF世界経済見通しのエッセンス(ドイツ視点)

www.imf.org www.imf.org ●全体感としては、GDP上方修正/インフレ下方修正という概ね良好な内容。リスクも上(AI、利下げなど)/下(地政学、中国など)バランス。 ●グローバル総括表~日本は今年+0.9%、来年+1.0%と潜在ペースを上回る成長継続でインフレ2…

20240415 ドイツの気になるデータ5選(ジニ係数、住宅用不動産市況など)

①ジニ係数(数字が大きいほど所得格差大)~所得格差問題はひと頃より大きく改善していたが、最近再び拡大傾向(各種資産効果のため)。ドイツは欧州の中でも格差がかなり大きい方。 https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien…

20240415 ドイツ経済省経済月報のエッセンス

www.bmwk.de 先週末リリースされたドイツ経済省4月月報のエッセンスは以下の通り。 輸出の改善と、鉱工業・建設の生産増(もともと受注残が大きい上、好天と高水準の病欠正常化が追い風)にわずかながらも明るい兆しが見え始めている。 グローバルベースで鉱…

20240413 ドイツにおける生活防衛のヒント

<Japanese> 米国経済の強さとユーロ圏経済の弱さが当初の想定以上であることが判明したため、ECBがFEDより先(今年6月)に利下げを始める可能性が一気に高まってきました。その結果、為替市場でユーロ安が進行し、節目の1ユーロ1.07ドルを大きく割り込んでいます。ドイ</japanese>…

20240413 週末のBloombergより

youtu.be ◆強めのCPIでディスインフレ傾向への自信が揺らぎ、米金利急騰。FED年内利下げ期待は1~2回に後退。10年金利は4.5%強まで上昇。中東リスクの高まりもあり株価も軟調。◆企業収益については弱めの景気をベースに慎重目に置いた以前の予想がまだ残っ…

20240406 週末のBloombergより

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再…

20240403 ドイツ3月インフレ速報について

ドイツの3月CPI速報値は、総合で前年同月比+2.2%、コアで3.3%とまあ良好な内容となっていました。ウェート7.4%のエネルギー価格が、前年同月比▲2.7%と押し下げに寄与しています。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_13…

20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)

今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5…

20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)

①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このよう…

20240327 ドイツ5大研経済予測のエッセンス

https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそ…

20240327 ドイツ鉄道労使交渉決着についてのドイツメディアの報道ぶり

これまで5か月間にわたる交渉と計6回のストライキを経て、昨日3月26日、ドイツ鉄道とGDL(運転手組合)の労使交渉がようやく決着し、イースター休暇中のストライキ回避が確実になりました。GDLは大幅な賃上げ(免税一時金を含む)と週35時間労働に向けての段…

20240323 週末のBloombergより

youtu.be ◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。◆GDPとインフレ予想が上…

20240321 ドイツ連銀月報経済分析のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ド…

20240321 ドイツ銀行協会経済予測のエッセンス

本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主…

20240320 独IAB/IMK経済予測のエッセンス

本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局…

20240320 ドイツの気になるデータ5選(受注残、PPI、幸福度など)

①製造業受注残(1月)~新規受注の不調が続いているので、じりじり減ってはいるものの、まだ月商の6.9か月分と高水準(資本財メーカーでは9.2か月分)。景気落ち込みを避けるためのクッションになっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemittei…

20240319 ドイツ経済省経済月報のエッセンス

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは…

20240318 ドイツの気になるデータ5選(企業倒産、住宅関連など)

①企業倒産件数~2023年通年で前年比+22.1%と大きめの増加かつ先行指標も上昇傾向(下図赤線)ながら、コロナ前(2019年)比では▲5%とまだまだ低水準。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_103_52411.html 超長期チャート…

20240316 賃金/物価の好循環実現で日銀マイナス金利解除へ

<Japanese> ここ数日相次いでいるリーク記事によると、3月19日の日銀金融政策決定会合で、世界最後のマイナス金利政策がいよいよ解除されることになりそうです。春闘第1回回答集計での平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となり、日銀は賃金と物価がそろって上昇</japanese>…

20040316 週末のBloombergより

youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始…

20240315 ドイツで中古品売買活発化

IFH(ケルン商業研究所)の「持続可能性消費者モニター」(やハンデルスブラットの解説記事)によると、インフレとエコ意識の高まりのため、ドイツで中古品の売買が活発化している模様です。ポイントは以下の通り。 ドイツにおける持続可能性の重要性/意識は…

20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)

①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっ…

20240312 ドイツ商業用不動産関連データについて

https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market-795270 掲題についてのドイツ連銀のデータがアップデート…

20240311 ドイツ住宅価格について

先週末、ドイツ連銀から直近データが発表されましたのでご紹介します。 ●ドイツには複数の住宅価格データ(四半期ベース)が存在するものの、いずれも2010年から2倍くらいに上昇し、(大都市ほど上昇幅大)概ねピーク時から5%~1割程度下落している。 https…

20240310 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり

3月のECB理事会結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。ドイツの景気が悪いからといって、利下げを急いで欲しいという論調は殆どありません(実質マイナス成長はインフレが原因と広く認識されているため)。 今回ECB主要金利はすべて据え…

20240309 週末のBloombergより

youtu.be ◆パウエル議長証言と米雇用統計(新規雇用と賃金が気持ち弱目)により、政策金利を中立水準に向けて微調整する利下げがいよいよ6月あたりに始まるという現実味/手応えが出てきた一週間。◆問題はその後の利下げペース。市場が織り込む年内計3.8回と…