日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

インフレ

20220629 ドイツ6月CPI減速の幻

20220629 過去最悪を記録したドイツ消費者センチメント(GfK)について

昨日GfKから発表された7月のドイツ消費者センチメントが▲27.4と調査開始以来の過去最低を記録しました。 Konsumklima sinkt auf neues Rekordtief (gfk.com) 構成3要素である景気見通し、所得見通し、購入意欲とも悪化しており、内容が悪いことは間違いあり…

20220628 ドイツガス不足のリスクは大幅低下

本日発表されたifo、キール、エッセン、ハレの4つの経済財研究所の共同研究(シナリオ分析)結果によると、下図の通り、来年にかけてドイツでガス不足(縦軸のゼロレベルを下回る)が発生する可能性は2割以下に抑制されているようです。 来年ガス不足(▲23.8…

20220628 ドイツ金融安定化委員会報告のエッセンス

ドイツ金融安定化委員会(財務省、ドイツ連銀(中銀)、ドイツ連邦金融監督庁(BaFinから構成)が昨日(6/27)提出した国会宛報告書のポイントを抽出しておきます。 ①ロシア/ウクライナ危機 全体としてドイツの金融システム全体が受ける影響はマネージ可能 …

20220626 直接投資先としての魅力度:ドイツ2位、日本4位

ドイツと日本の国際ランキングが高いものが最近あまりないので、日頃から日独経済の架け橋となることを目指している私としてはちょっと困っていたのですが、ひとつ見つかりました。 米経営コンサル:A.T. カーニーの「海外直接投資信頼度指数 (The Kearney F…

20220625 世界住みやすい都市ランキングに想う

英経済誌Economistの調査部門EIUが「世界の住みやすい都市ランキング(2022年版)」を発表しました。世界173都市を対象に、①安定性、②ヘルスケア、③文化/環境、④教育、⑤インフラという5つの切り口、計約30項目の定量/定性データに基づいて都市の住みやすさを…

20220623 今年はドイツGDP2%割れ、インフレ7%超という予想が主流になってきました

旧東独経済に精通していることで定評のある、ハレ経済研究所(IWH)は6月21日にドイツ経済予測のアップデート結果を発表しました。 これによるとGDPは今年+1.6%、来年+2.2%、インフレは今年+7.2%、来年+4.3%と、コンセンサスより弱めの成長と強めインフ…

20220619 急騰するドイツ住宅ローン金利

スクープで有名なドイツの有力週刊誌シュピーゲルの直近号の表紙が、「住宅金利ショック(金利が1⇒3%と3倍になっている!)」というセンセーショナルなものだったので、本当にそうかなのか住宅ローン金利比較サイトで確認してみました。 デア・シュピーゲル…

20220616 独ツァイト紙のエネルギーモニター

経済制裁による設備修理遅延を口実に、ロシアがノルトシュトリーム1経由でのドイツ向け天然ガス供給を平時の4割程度に絞ってきていますが、これはショルツ首相の独仏伊共同電撃キエフ訪問(6/16)に対するけん制/報復と解釈されています。 ドイツ向け天然ガ…

20220615 最近のドイツ主要機関経済予測平均は、実質GDP今年2.1%/来年2.8%

本日ifo研、キール研、エッセン研の3機関からドイツ経済予測最新版の発表がありました。 いずれもインフレが大幅に上方趨勢され、名目成長がかさ上げされる格好となっています。 赤網掛けの3件が今日の発表分で、これらを含む6月更新分5件の単純平均をとって…

20220613 ドイツガソリン減税の効果早速減退

ドイツでは6月1日から、リッター当たりスーパー35セント、ディーゼル17セントのガソリン減税がスタートしており、初日はその減税分が小売価格に比較的しっかりと転嫁されていたのですが、その後価格は再びじわじわ上昇しており、特にディーゼルはほとんど減…

20220612 ユーロ圏およびドイツ経済のストレスシナリオ

6月9日のECB理事会で発表されたECBスタッフプロジェクションにおけるユーロ圏ストレス(ダウンサイド)シナリオは ロシアのエネルギー輸出が今年第3四半期から全面的に止まり、商品不足/価格上昇とサプライチェーン障害の更なる悪化に見舞われる というもの…

20220611 そろそろ日本を打診買い

米欧ではインフレが制御不能になっており、日を追うごとに予想以上の利上げが必要になりつつあります。そのような状況下では、株も債券も売られてしまうため、お金の行き場がなくなってしまいます。しかしよく見ると、日本では事情が全く異なっています。あ…

20220610 ドイツ連銀によるドイツ経済中期見通し

本日ドイツ連銀がドイツ経済中期見通しを発表しました。 毎年6月と12月中旬頃に今後3年程度のドイツ経済見通しをアップデートするものですが、発表直後の数か月間は、ドイツで最も信頼すべき直近経済分析として重視されます。 https://www.bundesbank.de/res…

20220609 ECB理事会ファーストインプレッション

ステートメント、記者会見、スタッフプロジェクションをざっと一通りチェックした上でポイントをまとめると以下の通りです。 インフレの予想外の悪化を素直に認め、スタッフプロジェクション上でも2024年の総合・コアとも2%(目標)超過を明示。 ステートメ…

20220608 OECD経済予測アップデート(ドイツ部分)

本日OECDの最新経済見通しが発表されました。題して「The price of war」=戦争の代償。ウクライナ危機によってたくさんの命が失われているだけでなく、 いかにGDPが押し下げられ。。。 (昨年12月予想比、2022年ドイツGDPは+4.1%⇒+1.9%と半減) いかにイ…

20220606 最近のショルツ首相の不人気について

最近の政党別支持率世論調査を見ていると、以下の特徴が鮮明化しています。 メルツ党首が率いるCDU/CSUが第一党としてのリードを拡大する一方、 ショルツ首相を支えるSPDがベアボック/ハーベック人気のGreenに抜かれつつある Wahlumfragen zur Bundestagswah…

20220606 各国のスタグフレーション度合い比較

インフレをグローバルベースでウォッチするにはこちらのFTサイト(節目節目で適宜更新されている)が大変便利です。 デジタル購読でも月39ユーロ(約5500円)するFTとしては珍しく無料で閲覧できる記事になっていますが、潜在的新規購読者を引き寄せるための…

20220605 来週(6/9)のECBではインフレ予測部分に注目

ドイツCPI(ドイツ国内基準、ECBが見ているHICPとはややずれる)の5月速報は前月比+0.9%/前年同月比+7.9%(HICPでは+1.1%/+8.7%)とまたしても市場予想を上回る上昇だったわけですが、「さすがにこんなハイペースでの上昇がいつまでも続くわけはなく、…

20220603 オクトーバーフェストのビール価格は3年前の+16%となる見込み

約6百万人を集める世界最大の祭典、ミュンヘンのオクトーバーフェストは、過去2年コロナで中止されていましたが、今年は9/17~10/3の間、平年通りの開催を予定しています。 Oktoberfest – Wikipedia オクトーバーフェスト - Wikipedia オクトーバーフェスト…

20220602 独ガソリン減税(Tankrabatt)まずまずの出だしのようです

ドイツ自動車クラブ(ADAC)の調査によると、6月1日からスタートしたガソリン減税の結果、実際の小売価格は減税開始で以下のような低下を見せたようです。 スーパー(黄線) :リッター1.878ユーロ(前日比▲27.3セント) ディーゼル(灰線):リッター1.928…

20220601 ドイツ4月小売売上はそんなに悪くありません

今朝ドイツ連邦統計局から4月小売統計が発表され、前月比では実質▲5.4%と予想を大きく下回るとんでもなく弱い数字であるかのように報道されていました。 Germany Retail Sales MoM - May 2022 Data - 1994-2021 Historical - June Forecast (tradingeconomic…

20220601 ドイツ雇用市場、引き続き堅調

昨日ドイツ連邦雇用庁から5月分のドイツ雇用統計が発表されました。当局としての評価は、ウクライナ危機長期化にも関わらず、ドイツ雇用の改善継続、となっています。 以下エッセンスをご紹介します。 ●季節調整後の失業者数は▲4千人と減少継続も、▲15-16千…

20220531 ドイツでは明日から3ケ月ガソリン減税

EUでロシア産原油の禁輸が始まることもあり、原油価格(下図はWTI)は再び騰勢を強めています。 Crude oil - 2022 Data - 1983-2021 Historical - 2023 Forecast - Price - Quote - Chart (tradingeconomics.com) ドイツにおけるスーパーガソリン(上)/ディー…

20220530 ドイツでも賃金・物価スパイラル不可避の情勢

今朝、ドイツ連邦統計局から発表された2022年1-3月期賃金統計によると、 名目賃金(青線)は前年同期比+4.0%と高水準を維持したものの、 インフレ(黒線)が+5.8%と大きく上昇したため、 実質賃金(赤線)は▲1.8%と大きなマイナスに転じていました。 この…

20220529 ドイツ経済ボディスキャン

ドイツ連銀(Bundesbank)が、ドイツの代表的経済指標を「彼らが見ている形の」グラフで随時アップデートしてくれていますので、大変便利です。 現在の断面を全身をボディスキャンするようなイメージで確認しておきます。ドイツ連銀が個別に解説してくれてい…

20220525 ドイツの食品インフレはEU内ではマシな方

本日ドイツ連邦統計局から、食品インフレの影響度について小ネタ的に興味深いデータが発表されていました。 EU-Vergleich: Preisanstieg bei Nahrungsmitteln trifft Haushalte in Osteuropa am stärksten - Statistisches Bundesamt (destatis.de) インフレ…

20220524 各国(ユーロ圏、ドイツを含む)PMI速報について

●7月の利上げが迫っているユーロ圏ではありますが、本日発表された以下総合PMIを見る限り、サービス業主導でしっかりしており、今のところスタグフレーション(マイナス成長や失業率上昇を伴う状態)からは程遠い状況と思われます。雇用は堅調な一方、インフ…

20220522 ドイツ経済研(ケルン)経済予測

ドイツの有力シンクタンク、IW(ドイツ経済研~ifoやDIWなどの5大研からは外れている)から先週末直近経済予測が発表されているのでそのエッセンスをご紹介します。 IW-Konjunkturprognose Frühjahr 2022: Krise und Unsicherheit - Institut der deutschen …

20220517 独ホテル・レストラン業界アップデート

本日ドイツ連邦統計局から(ウクライナ危機の影響が反映された)3月のホテル・レストラン業界の売上高速報値が発表されました。 前年同月比実質+114.8%、名目+124.%と大きく回復しているだけでなく、 10%程度の値上げ(名目と実質の差)に成功している姿…