日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240403 ドイツ3月インフレ速報について

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ドイツの3月CPI速報値は、総合で前年同月比+2.2%、コアで3.3%とまあ良好な内容となっていました。ウェート7.4%のエネルギー価格が、前年同月比▲2.7%と押し下げに寄与しています。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_133_611.html

 

エネルギーと食品を除くコアがまだ高水準かつ低下速度が鈍いものの、フランス、イタリア、スペインのデータも落ち着いた内容だったので、ユーロ圏ベースでは前年同月比+2.4%まで低下し、ECBの利下げの背中を押してくれている感じになっています。

tradingeconomics.com

 

ドイツのインフレではベーシス効果(前年同月比の発射台の高さ)のせいでトレンドが見えづらくなっているので、当面は前月比の基調に注目することが重要です。

HICPベースではここ2カ月前月比+0.6%が続いており、まだまだインフレリスクから目を離せません。

とはいいながら、4月も前年同月比が低く見えやすい月で、前月比+0.2%以下なら、前年同月比が久々に2%を下回る見込みです。


なお、ドイツのCPIは下表のように、午前中に州別の速報、午後に全独の速報が発表されます。

<主な州別速報のプレスリリース>

https://www.it.nrw/nrw-inflationsrate-im-maerz-2024

https://www.statistik.bayern.de/presse/mitteilungen/2024/pm086/index.html

https://www.statistik-bw.de/Presse/Pressemitteilungen/2024077

https://statistik.hessen.de/presse/inflationsrate-in-hessen-im-maerz-2024

 

<州別ウェート(家計消費支出金額に基づく概算)>~NRW州が2割強で最大。

 

★ちなみに2002年1月のEURO現金導入当時、レストランやカフェなどでの便乗値上げが横行し、「Teuro」(インフレを誘発する新通貨ユーロ、というドイツ語の言葉遊び)が2002年の流行語大賞(Wort des Jahres)となりました。

 

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