日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240501 本日のレイバーデー(全独祝日)についてのドイツメディアの報道ぶり

本日5月1日レイバーデー(Tag der Arbeit, Maifeiertag, 全独の祝日)についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り:

  • 宗教的な背景を持つ他の多くの祝日と異なり、この日は政治的意味を持つ。
  • 春の日差しが温かくなる頃なので、多くの人がその日をハイキングや散歩に使うが、メイポール(下図)を立てる人や、デモ(上図)に繰り出す人もいる。
    6人、、「©dpa」というテキストの画像のようです
  • 起源は米国。19世紀頃、5月1日は多くの雇用契約の終了/更新期限だったが、1886 年5月1日に、40 万人が1日8時間労働を求めて大規模デモを展開し、死者も出た。
  • その3年後、世界中の労働組合と労働者政党が国際労働者会議のためにパリに集結し、1890年5月1日に世界的なデモを呼びかけた(ドイツでは10万人が呼応)。
  • その後紆余曲折を経て、5月1日は労働運動を賞賛し行動する日に発展した。
  • 労働条件の改善を求める闘いの重要性は今日でも失われていない。ここ数カ月間、実際に多くの業界/企業別ストライキが発生している。
  • 最近のドイツはストライキ国家と呼んでいいほど頻繁にストでマヒしており、これが景気低迷の一因となっている。
  • テスラやアマゾンのような企業は労働組合潰しに熱心で、労働評議会や労働協約/ストライキ権を持たない企業も数多く存在する。
  • 労働者の権利の内容は常に変化している。長い間当たり前だと思っていたことが徐々に疑問視され、再議論され、時代遅れだと言われ始めている。
  • 昔は「ドイツ人は働くために生きている」と言ったものだが、最近の若者たちは労働よりも家族、友人、余暇をより重視するようになっている。
  • 5月1日は、オーストリア、イタリア、リヒテンシュタインなど、他の多くの国でも祝日となっており、ヨーロッパ以外の多くの国でも、毎年労働者の日には何千人もの人々が街頭に繰り出している。
  • イギリスやアイルランドなどの英語圏では、この日は「Labor Day」と呼ばれる。アメリカやカナダでは5月ではなく9月になる。
  • ショルツ首相はビデオメッセージで、「長期にわたって働いてきた人たちにふさわしい退職金を用意するのは当然だ。」として年金給付開始年齢(現在67歳)のさらなる引き上げを改めて否定した。

    https://video.bundesregierung.de/2024/04/29/jsyqfr-20240426_k-master.mp4

  • OECDのデータによると、OECD中ドイツの年間労働時間は1,341時間(2022年)で最短。

https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm


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