2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧
本日ドイツ5賢人会(政府の経済政策を評価するために1963年に設立された5名のメンバーによって構成される諮問委員会)がウクライナ危機反映後のドイツ経済見通しを発表しました。 これによると、今年のGDPは▲2.8%pt下方修正で+1.8%、インフレは3.9%pt上方…
足元ドイツは全土隅々までがコロナホットスポットと化しており、国際比較でも非常に見劣りする状況なのですが。。。 Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de) 今週末4月2日からほとんどのコロナ規制が撤廃され、小売店内で…
ウクライナ危機をきっかけに「2つのF」(FuelとFood)が心配の種になっているというお話を先日しましたが、最初のF(Fuel)については(ひょっとすると行き過ぎた便乗値上げを抑え込むため?)連邦統計局から最近のガソリン価格上昇度合いを客観的に示すデー…
今年は州議会選挙が4つ予定されていますが、昨年12月にショルツ政権(SPD主導)が誕生してから最初の州議会選挙で、SPDが事前予想を大きく上回るを支持を集めて大勝し、ショルツ首相にとって(中央政府の貢献度合いはさほど大きくないものの)心地よい追い風…
ウクライナ危機をきっかけに、二つのF(FuelとFood)が問題になっています。ドイツでも最初は天然ガスとガソリンで大騒ぎだったのですが、その後、主食のパンを直撃する小麦の大幅な価格上昇についての話題がじわじわ広がっています。 小麦の生産量でみると…
ドイツのコロナ新規感染者数は、週単位で見ると下図の通り足元過去最悪の状況となっています。 オミクロンが爆発的に流行しているとはいえ、ワクチン普及とオミクロンの弱毒性のおかげで、死者数はまあまあ抑え込まれています。 今見えている唯一の明るい兆…
今月のPMIはウクライナ危機を初めてフルに織り込んだビジネスセンチメント指標として注目されていましたが、先ほどこちら PMI Releases (markiteconomics.com) に発表された結果を見ると、思ったほどネガティブには受け止められていないような感じになってい…
ドイツの最も重要な景気先行指標である ifo景況指数 の発表元であるifo研の経済見通しがアップデートされたのでご紹介します。 コロナに上乗せされたウクライナ危機のせいで見通しがいつにも増して不透明なため、今回は ①基本シナリオ と ②代替シナリオ の二…
ドイツ5大研の一角であるキール研(IfW)から、ドイツ経済の中長期展望レポート(2026年までの予測)が出ていましたのでそのエッセンスをご紹介します。 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 実質GDP 2.1 3.5 0.9 1.0 1.0 ~低下トレンド 名目GDP 5.0 6.9 3.…
ドイツでは連日20万人以上の新規感染が発生しており、まだまだコロナが収まる気配はありません。 ヨーロッパ全体としては一応ピークアウトしている(下図上のチャート)ものの、ドイツだけでなくドイツの隣国であるオーストリア、スイス、オランダなどを中心…
本日ドイツ連邦統計局から、昨年の外国人延べ宿泊者数の発表があり、下図の通りトップ5は、①オランダ、②スイス、③ポーランド、④オーストリア、⑤米国で、 ロシアは23位(268千人、シェア0.9%)となっていました。 外国人延べ宿泊者総数はコロナ前(2019年)…
ドイツのニュースで、 「核弾頭の数だけでいうと、ロシアの6,255に対し、仏290+英225で515に過ぎないので、圧倒的に不利」 という報道があったのでちょっと調べてきました。 ロシアのデータの出所はよく分かりませんでしたが、少なくとも英仏分についてはこ…
「悪い円安」が始まっているのではないかと心配になってきました。ドル円レートが先週後半急騰し、119.15まで円安ドル高が進みました。米FEDが今後どんどん利上げを進めていく一方、日銀は全く動く気配がないため、日米金利差拡大を口実にドルが買われている…
いくつかのドイツ有力機関からウクライナ危機反映後の ドイツGDP/インフレ予測が出てきたので まとめてみました。 ウクライナ危機前の予想と比べてみると、GDPは1%強切り下がり、インフレは2%押し上げられるイメージとなっています。 ちょうどOECDからウク…
ドイツでは昨年9月に連邦議会(下院、任期4年、日本と違って首相が簡単に解散できるものではない)選挙が終わったばかりなので、国政選挙は今後3年半まずないわけですが、今年は以下の州議会選挙が4つ(いずれも日曜日)予定されています。 3/27 ザールラン…
ドイツにおける新規感染者数は、1日約20万人(1週間あたり1.6%程度の割合で感染する)と過去最高水準が続いているのですが。。。。 再生産数は再び1.0を割り始め、今後は減少に向かうことが期待されているだけでなく。。。 RKI - Coronavirus SARS-CoV-2 - …
ギリシャ危機をきっかけに、窮地に陥った同胞たち(南欧諸国)を救うため、ユーロ圏では財政規律に目をつぶり、ECBがこれらの国債を買い支えるというのが当たり前になりました。その結果、超インフレなのにマイナス金利からすぐには抜け出せないというドイツ…
毎週月曜夕刻(ドイツ時間)にドイツ連銀(中央銀行、ECBのドイツ支店に相当)が、ドイツのGDPの動向をリアルタイムにつかむためのNOWCASTモデル(非公式扱い)の推計結果(掲題WAI)を公表しています。 WAIは年末年初にかけていい感じで持ち直していたので…
FG Wahlen が実施している直近(3/11)世論調査結果によると、ドイツ政治家人気ランキング(トップ10)は以下のような顔ぶれとなっており、 ショルツ首相がダントツのトップ、ハベック副首相が2位と貫録を示している 1位から7位までを信号機連立政権構成政党…
ロシアのエネルギー輸出は、いまやウクライナ侵略の戦費調達手段そのものであり、買うべきでないものと見做されています。ロシアの原油は世界全体の約1割、天然ガスは約2割を占めていますので、これらの供給が滞るという思惑だけでも価格は急騰します。実際…
ドイツでは、現在の防疫法の期限が切れる3月20日から、マスク着用やソーシャルディスタンス以外の行動規制をほとんど取り払うことになっているのですが、その10日前の本日時点でも、過去最悪レベルに感染リスクが高い状況が続いています。 ●1週間前くらいか…
昨年夏頃から、ドイツで加速するインフレに対して何も手を打とうとしないECBに対するドイツメディアの批判が高まり続けてきましたが、今回のECB理事会結果に対する報道ぶりは概ね以下のような(引き続き批判的な)感じとなっています: ECBは債権買取縮小(…
ドイツ連邦統計局の公式データによると、2020年末時点での国籍別人口は以下の通りとなっています。 ドイツ在住の外国人の中ではトルコ人が132万人(シェア1.6%)と圧倒的に多い。 これに続くのはシリア、ポーランド、ルーマニア、イタリア。 ロシア人は24万…
全てを追い切れているわけではありませんが、ドイツにおけるウクライナ危機関連報道の中で、個人的に気になったものを以下書き留めておきます: 民間人を人道回廊で逃がした後にはロシアからの攻撃が本格化する。長期化を避けたいロシアにその気が全くないの…
本日、ifo研より(恐らく大半が在ドイツの)145人のエコノミストに対する興味深いアンケート調査結果が発表されています。 Längerfristig erhöhte Inflationsrate für Deutschland | Fakten | ifo Institut これによると、ドイツのインフレ率は、今年(2022…
本日はロシア産原油の禁輸に対する思惑で、原油価格が急騰しているのですが(下図は北海ブレント価格)、そのあおりを受けてドイツのガソリンスタンドでの価格も早速上昇しています。 Brent crude oil - 2022 Data - 1970-2021 Historical - 2023 Forecast -…
ロシアのウクライナ侵攻以降、ドイツ各地で大規模な反戦/反プーチンデモが連日展開されています。これまでの主流は反コロナ(ワクチン義務化)デモでしたので、流れが大きく変わった感じです。 以下の写真は昨日(3/5)デュッセルドルフ市内で行われたもので…
今回のロシアによるウクライナ侵攻は、ドイツでは「Putins Krieg」 ~プーチンの戦争(ロシアというより、プーチン個人の暴走による戦争)と表現されています。 コロナの年(2020年)の流行語大賞(Wort des Jahres)が「Corona Pandemie」~コロナパンデミ…
中銀の外貨準備というのは、ある種の国家機密のようなものなので、詳細までは開示されていないことが多いのですが、ロシア中銀は驚くほど透明な情報開示をしています。「BANK OF RUSSIA FOREIGN EXCHANGE AND GOLD ASSET MANAGEMENT REPORT」を見ると、ロシ…
ウクライナからの難民は、とにかく迅速に気持ちよく受け入れるべき。現時点で120万人以上がEU(うち65万人がポーランド)入りしているが今のところ概ねうまくいっている。(ただし、誰も声高に言わないか、女性と子供が中心なので犯罪者になる可能性が低くて…