ドイツの最も重要な景気先行指標である ifo景況指数 の発表元であるifo研の経済見通しがアップデートされたのでご紹介します。
コロナに上乗せされたウクライナ危機のせいで見通しがいつにも増して不透明なため、今回は ①基本シナリオ と ②代替シナリオ の二本立てとなっています(コロナ以降、このパターンがあちこちで多用されています)。
今年、来年のドイツ経済は、高水準に積み上がった受注残とリベンジ消費のおかげでかなり強く推移することがもともと期待されていたのですが、ウクライナ危機の深刻化により、以下4点がドイツ経済の逆風となります。
- 資源価格の高止まりによりインフレ長期化⇒購買力低下で成長が食われる
- 対ロシア制裁⇒貿易や生産を下押し
- ウクライナ⇒ドイツ企業のサプライチェーン問題深刻化(ワイヤーハーネス等)
- 戦争長期化⇒不透明感上昇、企業・家計ともセンチメント大幅悪化
今回これらの影響を反映した結果としてifo研が提示してきたのは以下2つのシナリオでした。
①基本シナリオ
~原油101EUR/バレルから年末82に低下(3/11時点の先物価格に沿った展開)
2022年 2023年 (前回12月予測比)
実質GDP +3.1%(▲0.6) +3.3%(+0.4)
インフレ +5.1%(+1.7) +1.8%(▲0.1)
②代替シナリオ
~原油140EUR/バレルに上昇後、年末122に低下
2022年 2023年 (前回12月予測比)
実質GDP +2.2%(▲1.5) +3.9%(+1.0)
インフレ +6.1%(+2.8) +2.3%(+0.4)
★ちなみに2022Q1のGDP(4/29発表、市場予想まだないがドイツ連銀のWAIは▲0.7%を示唆)は前期比+0.3~+0.5%と強めの予想になっています。
<以下データ詳細>
【ドイツ経済予測 主要指標一覧】
【主要各国 GDP/CPI予測一覧】
日本はデフレ継続予想(今年携帯の反動分くらいしかプラスにならない)
ロシアの成長下押しはマイルド目