日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

コロナ

20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)

①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このよう…

20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)

①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <…

20240318 ドイツの気になるデータ5選(企業倒産、住宅関連など)

①企業倒産件数~2023年通年で前年比+22.1%と大きめの増加かつ先行指標も上昇傾向(下図赤線)ながら、コロナ前(2019年)比では▲5%とまだまだ低水準。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_103_52411.html 超長期チャート…

20240229 ドイツの気になるデータ5選(賃金、小売売上、インフルなど)

①賃金~2023年通年ベースでは、インフレ+5.9%に対し、名目賃金+6.0%で実質賃金が辛うじてプラス転換(+0.1%)。2023年Q4では各+3.5%/+5.4%/+1.8%と実質ベースでしっかりプラス転換。 労組はコロナ後数年間続いた実質賃金のマイナスを取り返すべく、今…

20240229 ドイツ鉱工業生産の苦悩

ドイツの鉱工業生産(上図黒線、実質ベースインデックス)は、2023年前年比▲1.2%(2022年▲0.2%)と減少しました。2018年頃から既に長期低下傾向にあり、コロナからの回復後もその低下トレンドが再開しているように見えます。 水準としては2018年のピークか…

20240223 ドイツの気になるデータ5選(PMI、ifoなど)

①総合PMI(2月)~製造業の状況(右)が再び悪化し、総合アウトプット指数(左)から見てQ1GDPは前期比マイナス不可避の情勢(市場予想は前期比▲0.1%程度)。景気回復の手がかりが全く見えない状態が続いてしまっている。 https://www.pmi.spglobal.com/Pub…

20240222 ドイツ連銀の不動産価格データアップデート

ドイツ連銀HPの不動産価格データが更新されたのでチェックしておきます(説明は筆者分析)。 www.bundesbank.de ①住宅用不動産価格~2023年は前年比▲4.6%/2004年比+127%(この間CPIは、各+5.9%/+46%)。 低金利と住宅不足を背景に住宅価格は上昇を続け…

20240222 ドイツ経済4年間低迷の経済損失5,450億ユーロ

https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/michael-groemling-der-deutschen-wirtschaft-fehlen-545-milliarden-euro.html 先ほど経営団体系シンクタンクIW(ケルン研)から発表された経済損失試算がなかなか興味深いので、そのエッセンスをご紹介…

20240221 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、企業倒産件数など)

①製造業受注残(12月)~コロナ後に蓄積された受注残(受注急回復VS人手・資材不足+サプライチェーン障害)は、月商の7.0か月分と高水準が維持され、一層の景気悪化を防ぐためのクッションとなっている。但し、海外分(青)の減少はきつめ。 https://www.des…

20240217 週末のBloombergより

www.youtube.com ◆単月データ(特に年初は季調がトリッキー)の過大評価は禁物ながら、CPI・PPI揃っての上ブレは、早期利下げ期待を大きく押し返す(5月3割、年内4回)に十分だった。◆イールドカーブは大きくベアフラット化。債券インデックは昨年12月FOMC…

20240203 花粉症と休肝日

<インフルエンザ週報> https://influenza.rki.de/Wochenberichte/2023_2024/2024-04.pdf <Japanese> 歳をとると、年々花粉症の発症が早くなってきているような気がします。ドイツの1~4月に悪さをするのはHasel(西洋ハシバミ、ヘーゼルナッツの木)だそうですが、い</japanese>…

20240130 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト類、インフル流行度合いなど)

①ドイツ経済省GDPナウキャスト~2024Q1は前期比+0.1%予想。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/02/11-konjunktur-bip-nowcast.html 【追記】その後、2023Q4は前期比▲0.3%(2023年通年でも前年比▲0.3%)での着…

20240111 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、消費者センチメントなど)

①GDPナウキャスト(ifoCAST)~Q4前期比▲0.32%(左)、Q1同+0.11%。 www.ifo.de ②消費者センチメント(HDE)~ドイツ経済の先行きやドイツ政府の財政政策を巡る混迷を嫌気してやや悪化。但し、前年同月(ガス危機への不安でいっぱいだった)比ではずっと上…

20240102 縮み続けるドイツ製造業

ドイツの鉱工業生産(インデックス)は、上図の通り、コロナ前から既に減少トレンドに入っているわけですが、 本日ドイツ連邦統計局(DESTATIS)から今年一発目の統計データとして発表された、2023年の業種別就業者数統計によると、就業者総数は4,593万人と…

20231230 ドイツ年末年始の心配事3つ

①暴動 昨年の大みそか、ベルリンで警察官や消防官を花火や投石などで攻撃する大きな暴動がありました。低所得者層を中心に社会に不満が募っていることもあり、今年も大都市を中心に、同様の暴動の発生が懸念されています。 ②洪水/水害 https://www.hochwasse…

20231220 ドイツで呼吸器系疾患(風邪、インフル、コロナ)大流行

https://influenza.rki.de/Wochenberichte/2023_2024/2023-50.pdf 本日発表された「呼吸器系疾患週報」(年内はこれが最後、次号は1/3)によると、12/11~17の週の呼吸器系疾患(ARE)の新規感染者数は、人口10万人当たり10,600人にまで急増しており(前週は…

20231219 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、ECB利下げ軌道など)

①製造業受注残~10月実質ベースで前月比▲0.6%/前年同月比▲5.9%と急減。コロナ後に積み上がったバックログ貯金は月商の6.9か月分まで低下。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/12/PD23_488_421.html ②ホテル・レストラン売上~10…

20231214 メッセ大国ドイツ

上表はメッセ会場の展示面積世界ランキングですが、トップはハノーファー、4位フランクフルト、9位ケルン、10位デュッセルドルフとなっており、ドイツがメッセ大国であることがわかります。関連する重要なポイントをまとめると以下の通りです。 ドイツでの見…

20231201 ドイツの気になるデータ5選(インフル流行、エネルギーMIXなど)

①インフルエンザ/コロナ/風邪の流行度合い~人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が8,800人(赤)、患者残高740万人(就業者数4,610万人の16%)とかなり増えてきています。 https://influenza.rki.de/Wochenberichte.aspx ②エネルギーMIX(2023年1~9月)…

20231117 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、ホテル・レストラン売上など)

①製造業受注残高(9月、実質ベース)~前月比▲0.8%/前年同月比▲5.4%と減少続くも、減少の7.0か月分と高水準は維持されている(大幅な生産調整はされにくい)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_446_421.html ②住宅着工…

20231030 ドイツの気になるデータ5選(インフルエンザ、政党別支持率など)

①週次経済活動指数(WAI)~GDP前期比+0.3%ペースとまあまあ好調です。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 実質GDPは仮にQ4ゼロ成長でも通年▲0.1%で着地できそうな走りとなっています。 ②…

20230914 欧州で最も危険な女:ヴァーゲンクネヒト、いよいよ新党結成か

https://www.sahra-wagenknecht.de/ ビルト紙が「ヴァーゲンクネヒト女史(上写真、超美人の人気政治家)がついに左派党(Linke)から出て新党結成を決意した(下図)」と報じています。ので、そのエッセンスをご紹介します。 ヴァーゲンクネヒト氏は長年左…

20230909 ニューノーマル下での在宅勤務

note.com <Japanese> 在宅勤務(Home Office)は、コロナのおかげで意外と急速かつ広く普及し、今でも一部定着するようになっていますが、多くの研究の結果、仲間が近くにいて機器類も整っているオフィス勤務には生産性面で劣るという評価が定着しています。そのため、特</japanese>…

20230905 ドイツ統計小ネタ8連発

最近見かけたドイツの統計系小ネタのうち、今頭の片隅に置いておいて悪くないかも、と思ったものを以下8つざっとご紹介します。 ①旅行好きのドイツ人だけあって、足元の航空旅客数の伸びは不況にもかかわらず絶好調なのですが。。。。 https://www.dashboard…

20230818 ドイツ製造業受注残は高水準維持

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/08/PD23_327_421.html 先ほど発表された6月のドイツ製造業受注「残高」は、前年同月比では▲3.1%と冴えないながらも、6月新規受注が大口受注(車以外のその他運送機器)で大きく押し上げられたた…

20230813 今秋のインフルエンザ流行を侮るべからず

ドイツの医師協会が「今年はインフルエンザに要注意」と警告を発しているので、そのポイントを以下整理しておきます。 オーストラリアを中心とする南半球でのインフルエンザ流行は、今冬に北半球での同様の流行を引き起こす可能性を格段に高めている。 3年間…

20230804 ビッグマック指数(英エコノミスト誌)アップデート

www.economist.com いつもよりやや遅めですが、英エコノミスト誌が半年毎(1月/7月)に更新しているビッグマック指数が昨日発表されました。 ドイツ在住者としての私なりのTake Awayは以下の通りです。 ●(ビッグマック指数的には)EUR/USDは現在ほぼフェア…

20230722 最近のインバウンド回復に想う

note.com <Japanese> 今年6月に日本を訪れた外国人数は207万人と、コロナ前(2019年同月)の288万人の7割強まで回復しました。ドイツ人は4~6月の3ヶ月累計6万人と、コロナ前の水準をほぼ回復しています。最近のドイツ経済はマイナス成長で非常に厳しいと言われていま</japanese>…

20230719 ドイツ航空運賃爆謄

コロナ完全終了で、航空旅客数は世界的に爆増(急回復)しているわけですが、 ドイツの航空旅客数(青)も同様に爆増(急回復)しています。景気低迷のあおりで低迷する航空貨物量(赤)とは対照的です。 ドイツ連邦統計局(DESTATIS)のデータによると、今…

20230718 ドイツIMF4条報告のエッセンス

Germany: 2023 Article IV Consultation-Press Release; Staff Report; and Statement by the Executive Director for Germany 昨日発表されたドイツのIMF4条協議結果報告(IMFのエコノミストチームが当該国を訪問して経済と金融に関する情報を収集し、政府…