日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

20220731 ドイツの猛暑はもう心配なさそうですが、干ばつは引き続き要警戒です

今週水木(8/3,4)には今一度日中30度越えがありそうですが、今年の暑さはこれが最後で、ピークはもう完全に超えたと見てよさそうです。 (赤線:最高気温、青線:最低気温、青棒:降水量、ケルン近傍の予想) 42-Tage-Wettertrend: Heiße Hundstage bleiben…

20220730 戻らぬ出張について考える

私自身、コロナ前までは年数回程度、ドイツ国内の泊りがけの出張をしていたものですが、コロナ発生以降は一度もどこにも出張していません。出張関連手続き(例えば経費精算フォーマットなど)も2年半の間に変わっている可能性が高いので、今更確認するのも億…

20220729 ドイツGDP、CPI、雇用 おまとめコメント

①本日ドイツ2022年第2四半期のGDP速報が発表され、懸念されていたマイナスは回避し、前期比フラットで着地していました(Q1は+0.8%と大幅上方修正)。 速報なので内訳が見えない上、過去に遡って結構修正されている(昨年Q3▲1.0%pt、Q4+0.3%、今年Q1+0.6%な…

20220729 ドイツコロナ状況アップデート

ドイツでは最近ようやく再生産数(赤線;R)が1.0を下回り始め、新規感染者数(青棒)が(若干微妙ながらも何とか)減少に転じています。 7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の累計新規感染者数)でみると、ドイツは欧州の中で引き続きワースト10に入って…

20220728 日独最大の差:政府債務残高

先ほど独連邦統計局から、 ドイツ中央政府債務残高について(2021年末) 総額1兆5485億EUR(@140として217兆円相当) 国民一人当たり18627EUR(同261万円相当) との発表がありました。 Pro-Kopf-Verschuldung 2021 steigt auf 27 922 Euro - Statistisches …

20220727 今ドイツで大注目の ヒートポンプ(Wärmepumpen) について

ヒートポンプというのは、こちらに説明されている通り、エアコンや冷蔵庫で使われている省エネ技術のことです。 https://www.hptcj.or.jp/study/tabid/102/Default.aspx ヒートポンプはドイツでもカーボンニュートラル実現に向けた重要技術としてもともと注…

20220726 ドイツの視点から見たIMF世界経済見通しアップデート

本日ドイツ時間の15時に発表されたIMF世界経済見通しでは。。。 https://www.imf.org/-/media/Files/Publications/WEO/2022/Update/July/English/text-en.ashx ドイツのGDPが今年+1.2(前回4月予測比▲0.9)%/来年+0.8%(▲1.9)%と大幅下方修正、一方イン…

20220725 PMIに続いてifo景況指数も大幅軟化

先週後半は、ドイツを含む欧米主要国で軒並み50.0を大きく割り込むPMIが出て、グローバルリセッション懸念台頭⇒グローバル長期金利低下という相場が始まりました。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/7da2f1b22f92492283ff1abbab5bd333…

20220724 ドイツ連銀月報の経済コメント抜粋

先週末ドイツ連銀月報が発表された(ドイツ語のみ、英語はしばらく後)ので。。。。 https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-juli-2022-894660 今ホットイシューとなっているイタリア国債に関係のある部分(特別…

20220723 世界最強の日本のパスポート

日本のパスポートは世界最強とよく言われますが、直近(2022年第3四半期)の「ヘンリー・パスポート・インデックス」では、日本がまた世界ランキング単独トップに輝いていました。これは英ヘンリー・パートナーズ社が国際航空運輸協会(IATA)のデータに基づ…

20220722 イタリア政府債務、長期国債中心(平均年限8.5年)で、外国人比率は27%(低下)

本日(7/22)ドイツ連銀月報が出たのですが、ECB金融政策の上で焦点となっている「フラグメンテーション」関連でタイムリーなデータを公表してくれていますので、そのエッセンスを抽出してご紹介します。 https://www.bundesbank.de/resource/blob/894660/9f…

20220722 ドイツコロナ状況アップデート

●ドイツでは先月以来、再生産数(赤線;R)が1.0以下になかなか下がらず、 新規感染者数(青棒)の上昇トレンドが続いています。 ●7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の累計新規感染者数)でみると、 ドイツは欧州の中でワースト10に入っています。 ①ギリ…

20220721 ロシアからドイツへまたガスが流れ始めました

今朝のドイツのトップニュースは、「ノルトシュトリーム1のガス供給が無事再開したが、今後またすぐ絞られるのではないか心配だ。」というものでした。 とりあえず、停止前の水準(キャパの4割)には復元されています。ロシアもある程度は外貨を確保してお…

20220721 ドイツで干ばつが心配され始めています

ドイツの河川水運は国内総輸送量の約4%を占め、石炭、ガソリン、灯油、その他化学系原材料/製品の輸送に活用されていますが、最近かなり水位が下がってきて、かつ当面まとまった雨が降る見込みがないので、生産、物流の阻害要因になるという懸念が高まって…

20220720 ドイツでは ①7/21のECB利上げ幅は最低でも+50bp、②南欧国債買い支え(フラグメンテーション対策)には反対 という声が主流

ドイツ連銀やドイツ政府アドバイザーを筆頭に、ドイツ国内ではECBが恐ろしくビハインド・ザ・カーブだと批判する声が高まっています。足元の焦点は以下の2点です: ① 足元8%超ものインフレ実績と2%を遥かに上回るインフレ期待を考えると、 フラグメンテーシ…

20220720 ドイツと米国の生産性について

1999年のEUR導入時にECBウォッチャーランキング第1位だったDr. Wermuth(現在の私の大家さんでもあります)の直近分析コメントが大変興味深いので(私の補足/解釈も交えて)ご紹介します。 https://wermutham.com/wp-content/uploads/2022/07/Wermuth-Market…

20220719 ドイツはガスをこうやって23-25%節約しようとしています

先日こちらでご紹介したPrognosのレポートの中に、ドイツでガスが不足したらどうやって使用量を節約するかについて整理されていましたので、簡単にご紹介します。 20220714 ロシアからのガスが全部止まった場合のドイツ産業への影響 - 日独経済日記 (hatenab…

20220718 企業の資金調達、家計の金融資産(2022年3月)

ドイツ連銀から掲題について(ドイツ語だけでなく)英語でも速報が出ました。 Acquisition of financial assets and external financing in Germany in the first quarter of 2022 | Deutsche Bundesbank 同時期(2022年第1四半期)に対する日銀資金循環統計…

20220717 9ユーロで1ヶ月電車バス乗り放題の切符を巡る議論

一般家庭でのエネルギー価格高騰のダメージを軽減するための切り札として、6~8月の期間限定で導入された9ユーロ切符(ドイツ全国の近距離電車・バスが1ヶ月間たった9ユーロで乗り放題となるチケット)をめぐる議論が白熱しています。 各種主要メディアをチ…

20220716 課題先進国日本の新たな難題

以下のような数字(CPIとGDPは6月OECD予測)を見ると、ウクライナ危機によるスタグフレーション的悪影響は、日本<米国<ドイツとなっていることが一目瞭然です。 株価年初来 今年のCPI 今年のGDP(半年前からの下方修正幅) 日本 ▲7% +1.9% +1.7%(▲1.7…

20220715 Key Figures on Europe 2022

ヨーロッパを理解する上で大変便利な冊子が出ていますのでご紹介します。ざっと図やグラフを見る(ビジュアル)だけでイメージがつかめる良品ですので、欧州に関係のある方は一瞥をお勧めします。 https://ec.europa.eu/eurostat/documents/3217494/14871939…

20220715 ドイツ政局アップデート

ドイツ公共第二TV放送(ZDF)が毎月(1-2回)実施している世論調査「Politbarometer」が本日(7/15)アップデートされましたので、その中の政治家人気ランキング(トップ10)と、政党別支持率をご紹介します。 Forschungsgruppe Wahlen > Aktuelles > Politb…

20220715 ドイツコロナ状況アップデート

いつものように定点観測していきます。 新規感染のベンチマークである「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日日間の累計新規感染者数)で見ると、ドイツ(青)は719(7/15時点)と高く、欧州主要国の中ではイタリア(赤、1208)、フランス(1079)、オース…

20220714 ドイツ一般市民のインフレ期待

ドイツ連銀が2019年から毎月実施しているドイツの消費者に対するアンケート結果(6月分、英語でも出ていた!)のエッセンスを紹介します。 Inflation expectations | Deutsche Bundesbank ●ここ4ヶ月は、今後1年間インフレはかなり上昇する(赤)、と感じて…

20220714 ロシアからのガスが全部止まった場合のドイツ産業への影響

掲題についてのスイス/ドイツのシンクタンクPrognosの分析結果をご紹介します。 Lieferausfall russischen Gases – Folgen für die deutsche Industrie (prognos.com) 7月以降、ロシアからドイツへのガス供給が完全に止まったままになった場合には、【結論】…

20220714 EU委員会経済予測アップデート

EU委員会が3ヶ月毎に発表している経済予測が先ほどリリースされました。ウクライナ危機の悪影響長期化で、インフレは今年・来年とも上方シフト、GDPは来年大きめの下方修正となっています。 国別リスト:アイルランドのQ1GDPは大幅上方修正(多国籍外国企業…

20220713 ドイツで干ばつが心配され始めています

スペイン、フランス、ポルトガル、ギリシャ、トルコなどドイツの南の方では今年も猛暑や山火事が大変で、ドイツでも連日報道されているのですが、暑さが今のところはさほどでもないドイツでも、5月6月と降水量が異常に少なかったため、干ばつが心配され始め…

20220713 日独間GAPが最も大きな領域のひとつ:男女格差

ダボス会議の主催者として有名な世界経済フォーラム(WEF)から「ジェンダーギャップ・レポート 2022」が発表され、ドイツは世界ランキング10位(前回11位)と、G7の中で唯一トップ10入りを果たしていました。 賃金の男女間格差は少し残るものの、ドイツは女…

20220712 EUR/USDのパリティ(1.00)割れトライ、いったん踏みとどまりました

EUR/USDのパリティが近づいています。インフレによる購買力急低下と併せて、最近はドイツ主要メディアで以下のような写真や表紙を頻繁に見かけるようになっています。 ユーロ安の原因(口実)とされているのは以下諸点です。ドイツでは「ECBの金融政策がそも…

20220711 価格急騰でガソリン消費はさすがに急減

今朝(7/11)のドイツ連邦統計局発表によると、ドイツのガソリンスタンドにおける5月ガソリン販売が2月(ウクライナ前)比▲11.7%に激減していました。 Tankstellen setzen im Mai 2022 real 11,7 % weniger um als im Februar - Statistisches Bundesamt (d…