いつものように定点観測していきます。
新規感染のベンチマークである「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日日間の累計新規感染者数)で見ると、ドイツ(青)は719(7/15時点)と高く、欧州主要国の中ではイタリア(赤、1208)、フランス(1079)、オーストリア(846)に次ぐ4位となっています。日本(黄、366)と英国(緑、287)も最近再び増え始めてはいますが、水準としてはドイツと比べてかなり低くなっています。
ドイツの再生産数(橙線)は最近ずっと1.0を上回り続けており、再び上昇に向かう可能性が出てきました(青棒は新規感染)。
新規感染を年齢別にみると、現在は子供たちや高齢者ではなく、会社勤めの年齢層(20-64歳)が感染の中心になっています。
足元PCR検査(青棒)は週90万件ペース(キャパ300万:灰棒)とかなり少な目ですが、主に心当たりのある人が受けに行くので、陽性率(赤点)は53.7%と高めで推移しています。
ウィルスの種別では、BA.5が82.5%、BA.2が10.5%、BA.4が7.0%となっています。BA.5急拡大による感染押上げ圧力は一巡したものと思われます。また、毒性の強い新種登場の気配もありません。
今のところ医療キャパにはまだ余裕ありますが、今後は重症患者(赤線)が相応に増えてくる見込みです。コロナ専用重症病床(黄線)は既にいっぱいで、医療関係者自身の感染/体調不良や休暇等で手薄になっているため、数字で見えている以上に実態はタイトとも言われています。
コロナ以外の風邪、インフルエンザなどを含めた呼吸器系の障害は足元(赤線)高水準となっています。コロナ以外の体調不良も増えていると言われています。
ドイツのコロナ規制にその後動きはありませんが、UKより厳しく、中国や日本よりはずっと緩い、という状況が続いています。
秋に向けて感染拡大の懸念は相応に高まっているため、2回目のブースター接種推進、テストキャパ再拡大、マスク着用義務再導入などが検討されています。
現状、法的義務は感染時の自主隔離以外ほとんどなくなっていますが、①少しでも疑わしい症状があれば人との接触を避ける、②喚起を徹底する、③室内では極力マスクをつける、④(重症化回避のためにも)ワクチンを接種しておく、などが強い推奨されています。
<情報源リンク集>
Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)