日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

財政規律

20240320 独IAB/IMK経済予測のエッセンス

本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局…

20040316 週末のBloombergより

youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始…

20240306 キール研最新経済予測のエッセンス

IfW(キール研、ドイツ5大研の一角)から新たなドイツ経済予測(上図の通り今年ははずか+0.1%成長、12月予想比▲0.8%下方修正)が発表されていますので、以下、そのエッセンスをご紹介します。 各種構造問題やECB利上げによるブレーキのため、ドイツ経済の…

20240224 週末のBloombergより

youtu.be ◆FED高官は軒並み「早すぎる利下げ」に警鐘。「Slower to lower」。◆2年物米国債利回りは今年のボトムから約50bp上昇し、利下げ期待は6月スタート/年内3.4回(ほぼ12月時点でのFED予想)にまで後退。◆6月に実際にFED利下げに踏み切るには、サービス…

20240205 ドイツ政治情勢アップデート

ドイツ全土で連日繰り広げられている反極右大規模デモの効果もあって、AfD(青、極右)の支持率の急低下が続いています。 https://dawum.de/Bundestag/ それでも今もし仮に選挙があったとすれば(日本と違って首相が簡単に議会を解散することはできず、連立…

20240203 週末のBloombergより

youtu.be ◆早期利下げに慎重だったパウエル議長をサポートするかのような激強の雇用統計が出て金曜は金利大幅上昇。◆米商業用不動産と引締め累積効果起因の米地銀不安が再び台頭し、地銀株下落/銀行債スプレッド拡大。◆フォワードカーブはまだまだかなりの利…

20240127 週末のBloombergより

週末のこの二つ(Real YieldとWall Street Week)はマーケット理解と英語学習の2面から見て最良の素材だと思っています。youtu.be ◆景気は予想以上に強く、インフレは予想以上に低下しているので、過去に例のない予想外のソフトランディング(ゴルディロック…

20240120 週末のBloombergより

youtu.be ◆市場の利下げ織り込みは、3月40%、年内5.3回まで大きく後退。 ◆今週は米大手銀・地銀が起債ラッシュ。S&P500は新高値更新。 ◆景気や雇用はまだまだ強いが、インフレは相応に落ち着いており、ペイントレードは10年金利(足元4.13%とまあまあの高利…

20231223 ドイツと日本、過度の悲観も楽観も禁物

note.com <Japanse> ドイツでは去年の今頃、天然ガスの価格が高騰しただけでなく、そもそも手に入らなくなって、冬が越せないのではないかという不安でいっぱいでした。その後、ショルツ政権の奮闘でエネルギー危機は何とか乗り切れたものの、国民生活をまんべんなく</japanse>…

20231223 週末のBloombergより

www.youtube.com <今週は年末特集号> ◆米国の今年最大のテーマは、何といってもインフレとそれに対するFEDの対応だった。今後は(下がるまで時間がかかると予めわかっていた)家賃の低下や、インフレ沈静済品目のすそ野拡大を待っている。 ◆これからは米財…

20231026 ドイツ政治家人気トップ10

ドイツ公共第二放送(ZDF)が毎月中旬頃に発表している「Politbarometer」の中の、トップ政治家10人の評価ランキングに私が補足情報を加えた一覧表がこちらです。お手元ご参考用に。 https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ <関連のご…

20231021 昨今の長期金利上昇に想う

note.com <Japanese> 米10年物国債利回りが5%に迫り、これによって投資妙味が相対的に低下した株価も下がり始めています。ちょうど昨年の今頃、米10年物国債利回りが4%をつけた時、私を含めて多くの投資家が、2%のインフレ+2%の実質成長に相当する「4%の利回りは</japanese>…

20230911 ベルリン研(DIW)経済予測アップデート

www.diw.de ドイツ5大研の一角でショルツ政権に近いベルリン研(DIW)の経済予測アップデートが先週末発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 インフレによる個人消費低迷と中国経済不振による輸出低迷のため、ドイツの景気回復は遅れてしまい…

20230826 ドイツ経済:産業立地の危機

note.com <Japanese> 先週発表されたドイツ2大景気先行指数は、マイナス成長への再突入を強く示唆するほど非常に弱く(PMI:44.7、ifo:85.7)、ドイツ経済に対する悲観論が急速に広まっています。インフレで個人消費が抑圧され、そのインフレ退治のための利上げ/金利</japanese>…

20230819 欧州の病人と呼ばれて

<Japanese> ユーロ導入直前に私がフランクフルトで勤務していた頃(1994~1999年)のドイツは、1%台半ばの低成長と9%前後の高失業のため「欧州の病人(the sick man of Europe)」と呼ばれていました。その危機感をバネに、その後ドイツは労働市場改革(解雇規制の緩和</japanese>…

20230720 基本的食材に対する消費税撤廃案についてのドイツメディアの報道ぶり

ドイツの野党(CDUの姉妹政党CSU)が肉・魚・野菜・果物・乳製品など基本的食材に対する付加価値税(現行7%課税)の撤廃を提案して話題になっています。実現すれば家族四人の標準世帯で年1,000ユーロ程度の負担軽減となる見込みです。これについてのドイツ…

20230718 ドイツIMF4条報告のエッセンス

Germany: 2023 Article IV Consultation-Press Release; Staff Report; and Statement by the Executive Director for Germany 昨日発表されたドイツのIMF4条協議結果報告(IMFのエコノミストチームが当該国を訪問して経済と金融に関する情報を収集し、政府…

20230715 日本の公的年金の救世主:GPIF

https://www.gpif.go.jp/operation/79328564gpif/2022_4Q_0707_jp.pdfnote.com <Japanese> 高齢化社会で世界の先頭を走っている日本では、40百万人(全人口の約1/3)が年56兆円(GDPの約1割)の公的年金を受け取っています。日本の公的年金は、ドイツ同様、基本的に賦</japanese>…

20230601 ドイツ経済の特徴

ドイツ経済基礎知識的なスライド(とお役立ちリンク)を集めて貼っておきます。タイトルだけざっと見て頂ければイメージがわくと思います。特にドイツ駐在ビジネスパーソン用お手元資料として少しでもお役に立つようなら幸甚です。 ★ドイツ経済の最近の状況…

20230526 ECB設立25周年に関するドイツメディアの報道ぶり

https://www.ecb.europa.eu/ecb/history/25-year-anniversary-of-the-ecb/html/index.en.html 5月24日に開催されたECB設立25周年記念式典についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 欧州統一通貨ユーロは、1999年1月にファンダメンタルズが必ず…

20230515 EU委春季経済見通しドイツ部分

Economic forecast for Germany 先ほどEU委員会から発表された春季経済見通しをざっとチェックしておきます。 ●EU/ユーロ圏の全体感 両エリアとも、インフレ率が高い割に、成長率は低く、失業は悪化しないという構図です。 ドイツ(ユーロ圏でのウェート3割…

20230412 IMF世界経済見通しドイツ関連部分

上の表は、内外主要機関のドイツGDP/インフレ予測一覧表です。今回のIMFは今年▲0.1%のマイナス成長を予想している点が特徴的です。他にマイナスを予想しているのはハンデルスブラット研(HRI)のみで、他の機関は概ね+0.2~+0.3%の予想となっています。 以…

20230218 ドイツ人と日本人の違いに想う

●データも加えて動画にもしてあります。よろしければ併せてご覧ください。 youtu.be <Japanese> もうかれこれドイツで累計12年以上生活してきましたが、現金が大好き、時間に厳格、ものづくりに拘る(製造業が強くなりやすい)という3点以外において、日本…

20221218 英Economist誌「The World Ahead 2023」ドイツ語版のエッセンス

ドイツ週刊誌Focusは毎年この時期に、英Economist誌の別冊「The World Ahead」シリーズのドイツ語版を出してくれています。電子版が単品(定期購読不要)で買えるので、毎年必ずチェックするようにしています。 ざっとチェックした結果、今回号の中で特に念…

20221209 今年のドイツ流行語大賞は「Zeitenwende」(ターニングポイント/新たな時代への転換点)!

先ほど(ドイツ時間午前10時)公益財団法人GfdS(Gesellschaft für deutsche Sprache e. V.)から今年のドイツ流行語大賞(Wort des Jahres)が発表されました。活きたドイツ語として最高の教材なので、ドイツ語学習者としては当然要チェックアイテムです。 …

20221029 来年以降の世界の潮流と自衛策

<Japanese> 毎年この時期になると、来年以降の世界の潮流について思いを巡らせてみることにしているのですが、今年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、大きな流れは以下のようにかなり厳しいものになってしまっており、今まで以上にリスク対策が重要になってき</japanese>…

20221022 半年毎に必読の日銀金融システムレポート

<Japanese> 日銀が半年毎(4月、10月)に出している金融システムレポート(和・英)は、金融業界関係者にとって必読の書であり、私も毎回欠かさずチェックしています。海外では、金利急騰に加えてリセッション懸念が高まっていますので、有価証券投資の含み損拡大や海</japanese>…

20221015 ワイズスペンディング能力が問われる時代

<Japanese> 少子高齢化は日本だけでなく世界全体で進行中ですが、その進行と共に年金やヘルスケアに対する財政支出はどうしても増えてしまいます。今後はそれに加えて、カーボンニュートラル、安全保障、デジタリゼーションなどに対する財政負担増加も避けて通れません</japanese>…

20221012 IMF世界経済見通しドイツ関連データ一覧

●来年の実質GDPがこれまで(今年7月や4月)の予測比全面的に大幅下方修正される中、ドイツは来年▲0.3%と先進諸国中最悪の大幅下方修正。 ●主要計数中長期予測 2022 2023 2024 2025 2026. 2027 実質GDP +1.5% ▲0.3% +1.5% +2.2% +1.8%. +1.3% インフレ +8.5% …

20221001 英トリプル安に想う

<Japanese> 先週は英トラス首相の国債大量増発を伴うバラマキ政策が、マクロ経済政策としてのサステナビリティについて市場から落第点をつけられ、新興国並のトリプル安(株安・債券安・ポンド安)を引き起こし、世界中の長期金利を押し上げるという大失態を引き起こし</japanese>…