日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

賃金

20240418 ドイツ連銀月報経済分析部分のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグ…

20240416 最近の主なドイツ企業人員削減発表一覧

人口動態要因(団塊世代の大量退職>移民)に基づく構造的人手不足は緩和していないので、失業急増は回避されているが、経営環境の変化と共にオーバーキャパになっている領域(特に自動車関連)では思い切った人員削減が進められている。 以下は今年に入って…

20240405 ドイツ住宅価格に早くも反転上昇の気配

https://report.europace.de/alle-news/europace-hauspreisindex-marz-2-2-2-6/ ドイツ最大の住宅ローンポータルサイトEuropaceの住宅価格指数(EPX)は、上図の通り、全てのカテゴリーで上昇に転じており、Europaceは今後も上昇が続く見通し、と評価してい…

20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)

今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5…

20240330 ドイツ人も注目する「日本の秘密の力」

<Japanese> 日銀のマイナス金利廃止により日本のデフレ脱却が大きな節目を通過し、日経平均が年初来+21%(DAXは+10%)も上昇していることを、自国経済の長期低迷を嘆くドイツ人も意識し始めているようです。今週号の独経済専門誌ヴィルトシャフツボッヘ(Wirtschafts</japanese>…

20240329 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、IMFブログの分析データなど)

①経済省GDPナウキャスト~実質GDP2024Q1:前期比▲0.2%。ifoCAST、ドイツ連銀WAI、市場予想などとも整合的。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/04/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②時間当たり労働コスト(2023…

20240327 ドイツ鉄道労使交渉決着についてのドイツメディアの報道ぶり

これまで5か月間にわたる交渉と計6回のストライキを経て、昨日3月26日、ドイツ鉄道とGDL(運転手組合)の労使交渉がようやく決着し、イースター休暇中のストライキ回避が確実になりました。GDLは大幅な賃上げ(免税一時金を含む)と週35時間労働に向けての段…

20240326 ドイツ個人消費、まだ回復の手掛かりなし

https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、…

20240321 ドイツ連銀月報経済分析のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ド…

20240321 ドイツ銀行協会経済予測のエッセンス

本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主…

20240319 ドイツ経済省経済月報のエッセンス

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは…

20240316 賃金/物価の好循環実現で日銀マイナス金利解除へ

<Japanese> ここ数日相次いでいるリーク記事によると、3月19日の日銀金融政策決定会合で、世界最後のマイナス金利政策がいよいよ解除されることになりそうです。春闘第1回回答集計での平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となり、日銀は賃金と物価がそろって上昇</japanese>…

20240308 ifo研経済見通しのエッセンス

https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-06/ifo-economic-forecast-spring-2024-german-economy-paralyzed ifo研のドイツ経済見通しのアップデートが発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 景気回復の兆しが見られず、年前半も不調が続きそうな…

20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)

①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で…

20240229 ドイツの気になるデータ5選(賃金、小売売上、インフルなど)

①賃金~2023年通年ベースでは、インフレ+5.9%に対し、名目賃金+6.0%で実質賃金が辛うじてプラス転換(+0.1%)。2023年Q4では各+3.5%/+5.4%/+1.8%と実質ベースでしっかりプラス転換。 労組はコロナ後数年間続いた実質賃金のマイナスを取り返すべく、今…

20240220 ドイツ連銀月報、経済分析部分のエッセンス

www.bundesbank.de 昨日発表されたドイツ連銀2月月報の経済分析部分のエッセンスは以下の通りです: 景気低迷とディスインフレーションの流れが続いている。 コロナ後にたまった受注残はまだ高水準(昨年末時点で月商の7か月分)にあるものの、長期にわたる…

20240208 ドイツの労使交渉とストライキ:旅行や出張の計画に影響

最近ドイツでは鉄道(遠距離/近距離)と空港でのストライキが繰り返されており、旅行や出張の計画がうかつに立てられない状況が続いています。 下表は今後予定されている労使交渉の一覧表ですが、現時点では以下黄色網掛け部分にほとんど歩み寄りや妥結に向…

20240202 日独米名目GDP/名目賃金/CPI長期推移グラフ集(各国1991=100)

①全体比較(1991年の水準=100)~米国の名目GDP、名目賃金の水準切り上がりが圧倒的。CPIを大きく上回る上昇が続いている。 ②ドイツ~GDPと賃金が同様の増加。CPIの水準を大きく上回っている。但しその後、2022年には実質賃金大幅減少~CPI上昇率>名目賃金…

20240131 ドイツ雇用統計徹底チェック

先ほどドイツの1月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比▲2千人と、市場予想(+10千人強)よりややや強い内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いされていますが、ドイツで…

20240124 ドイツ鉄道ストについてのドイツメディアの報道ぶり

ドイツ機関車運転士組合(GDL)が、全独のドイツ鉄道で6日間のストライキに突入し、大規模な混乱と経済損失が発生していることについて、ドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 交渉の最大の争点は、労働時間の短縮(週38⇒35時間)。DGLは賃金目減りな…

20240123 ドイツ賃金交渉一覧表アップデート

<現在交渉中/今後交渉開始予定の賃金交渉一覧>足元はドイツ鉄道を6日麻痺させようとしているGDL(組合員はごく少数)に注目が集まりやすいですが、今年通年では夏のIGメタル/年末のヴェルディ(ドイツ2大労組)が重要です。 <2022年以降の主な妥結結果一…

20240120 最高のスタートを切った日経平均

https://tradingeconomics.com/japan/stock-market <Japanese> 日経平均は年初来+7.5%(1月19日終値:35,963.27)と主要国株価指数の中で最高のスタートを切りました(NYダウ+0.5%、DAX▲1.2%)。「賃金と物価の好循環」⇒名目経済成長/企業収益増加への期待、能登半</japanese>…

20240118 ドイツ女性の時給は男性より18%低い?ジェンダーギャップの実態

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_027_621.html ドイツ統計局(DESTATIS)が今朝、2023年のジェンダーギャップについて興味深い統計を発表していましたので、以下整理しておきます。 ドイツの女性の時給は男性より平均18%…

20240112 週末のBloombergより

youtu.be ◆3/20のFOMCまでCPIはあと2つあるが、12月のCPIはstickyで早期利下げの背中を押さない内容だった。 ◆それでも市場は3月利下げ開始確率8割、年内計7回近くを織り込んでおり、行き過ぎとの見方も根強い。 ◆一方で、年前半開始でなくても、利下げは一…

20240106 週末のBloombergより

youtu.be ◆インフレ(賃金強め)、景気弱目(ISM)、株も債券も(小幅ながら)マイナスと、多くの投資家にとってやや期待外れのスタート。 ◆しかし(本来歴史的にかなり珍しい)ソフトランディングとしてはなかなかいい線を行っているのかも。 ◆失業率が4%…

20240106 ドイツ鉄道ストへの備え

https://www.gdl.de/aktuelles/news/abschluss-mit-go-ahead-erreicht/ 本稿では、再びいつ実施されてもおかしくないドイツ鉄道の本格ストライキへの備え方について、その背景も含めてご説明します。 昨年後半から鉄道をストでマヒさせているのは、鉄道運転…

20240103 ドイツ12月雇用統計徹底チェック

tradingeconomics.com 先ほどドイツの12月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+5千人と、市場予想(20千人前後)よりややや強い内容となっていました。ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いさ…

20231230 来年を明るく照らしてみましょう

note.com <Japanse> 世の中を明るい光に照らしてみると、コロナが収まって旅行やコンサートを思う存分楽しめるようになり、失業者はほとんど増えず、(日本ではインフレ差引後の実質ベースでまだマイナスですが)賃金も増えています。米国の巨額財政出動(インフレ抑</japanse>…

20231229 ドイツ賃金交渉一覧

●現在交渉中/来年以降交渉開始の主なものを一覧表にしたのがこちらです。 (対象人数は少ないですが)鉄道運転士の労使交渉は、ストを繰り返しつつ前進感なく難航し続けており、年明けの鉄道麻痺リスクが心配されています。 来年注目すべき大口ラウンドは、9…

20230318 ドイツ企業の財務状況(2022年)

https://www.bundesbank.de/resource/blob/920564/3a4da07c9388556019fb8e296fcde7bb/mL/2023-12-ertragslage-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月12月報に、2022年のドイツ企業(除く金融)の財務状況についてのマクロ分析が掲載されていましたので、その…