日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

GDP

20240425 GfK消費者センチメント解説

https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-zwei-jahres-hoch-auf-niedrigem-niveau ドイツ経済復活のカギを個人消費(実質所得上昇の帰結)が握っているものの、今のところその回復は予想以上に遅れている。今局面では個人消費や所得周りのデータを特に注…

20240425 ドイツ政府経済見通しのエッセンス

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/04/20240424-fruehjahrsprojektion-2024.html ドイツ政府が昨日発表した春季経済見通しのエッセンスは以下の通り: 概ねコンセンサス通り(上表ご参照)の予測値ながら、今年の成長率0.1%上方修…

20240424 ドイツの気になるデータ5選(ifo、週次食品売上など)

①ifo景況指数~市場予想比やや強めの改善。現況指数(黒)、期待指数(青)とも上昇傾向鮮明で、底打ち感が強く出ている。但し、水準が低いので、ECBの6月利下げ開始に疑問を抱かせるにはほど遠い。 総合PMIの回復基調とも整合的。 ②ifoサイクル図~いい方向…

20240423 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ車の中国シェアなど)

①中国市場におけるドイツ車のシェア~年々減少が続く。中国車の台頭と共に、中国経済低迷に伴う高級車需要の減退が背景。 ちなみに各メーカーの売上に占める中国シェア(2022年)は、VW:40.0%、ベンツ:36.8%、BMW:33.0%、テスラ:33.5%、トヨタ:17.1…

20240422 独Scopeによるドイツ信用格付けコメントのエッセンス

https://scoperatings.com/ratings-and-research/research/EN/176796 ドイツの格付機関スコープ社(@ベルリン)が本日発表したドイツのソブリン格付についてのコメントのエッセンスは以下の通り(経済低迷長期化でも財政が極めて健全なのでAAAは当面安泰と…

20240421 世界幸福度ランキング2024:日本はG7中最下位だが。。。

worldhappiness.report <Japanese> 3月20日の世界幸福デーに発表された2024年版「World Happiness Report」の「世界幸福度ランキング」を見ると、143カ国中日本は51位でG7中最下位という寂しい結果になっていました(ドイツは24位)。当該ランキングは、①「一人あたりG</japanese>…

20240418 ドイツの気になるデータ5選(受注残、投資計画など)

①製造業受注残(2月)~前月比▲0.2/前年同月比▲5.8%とかなり減少してきたものの、月商の7.0か月分と依然高水準。低調な新規受注のバッファとなっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_159_421.html ②ホテル・レスト…

20240418 ドイツ連銀月報経済分析部分のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグ…

20240416 ドイツの人口動態問題

①少子高齢化の深刻さ度合いを、労働力人口(15~64歳)に占める65歳以上の高齢者の割合でみると、ドイツ(赤)はイタリア(緑)に続いて日本(灰)に急速に追いつこうとしている。 ②20歳と65歳の人口差は、足元の27万人から、10年後には62万人に拡大見込み。…

20240416 ドイツZEW景況指数、期待は大きく改善

https://www.zew.de/publikationen/zew-gutachten-und-forschungsberichte/forschungsberichte/konjunktur/zew-finanzmarktreport 4月ZEW景況指数のヘッドライン(期待指数:上図赤線および下図)は42.9と市場予想(30台)を大きく上回る改善。調査対象とな…

20240415 ドイツの気になるデータ5選(ジニ係数、住宅用不動産市況など)

①ジニ係数(数字が大きいほど所得格差大)~所得格差問題はひと頃より大きく改善していたが、最近再び拡大傾向(各種資産効果のため)。ドイツは欧州の中でも格差がかなり大きい方。 https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien…

20240415 ドイツ経済省経済月報のエッセンス

www.bmwk.de 先週末リリースされたドイツ経済省4月月報のエッセンスは以下の通り。 輸出の改善と、鉱工業・建設の生産増(もともと受注残が大きい上、好天と高水準の病欠正常化が追い風)にわずかながらも明るい兆しが見え始めている。 グローバルベースで鉱…

20240413 週末のBloombergより

youtu.be ◆強めのCPIでディスインフレ傾向への自信が揺らぎ、米金利急騰。FED年内利下げ期待は1~2回に後退。10年金利は4.5%強まで上昇。中東リスクの高まりもあり株価も軟調。◆企業収益については弱めの景気をベースに慎重目に置いた以前の予想がまだ残っ…

20240411 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ECB利下げ織込みなど)

①欧州議会選(6/9)での政党別支持率~連邦議会選と概ね同様の分布。 https://dawum.de/Bundestag/ ②ifoCAST(GDPナウキャスト)~2024年第1四半期(4/30発表予定)前期比▲0.45%、第2四半期同+0.85%。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③宿泊件数(2月)~2,…

20240410 魅力低下が止まらないドイツの産業立地

www.ifo.de 産業立地としてのドイツの評価はかなり悲観的なものにならざるを得ない。 過去10年間を振り返ると、産業立地としてのドイツの評価(右)は欧州全体(左)よりずっと低い(ドイツは79%が「悪化」と回答、欧州全体では37%)。 半数近くが、今後10…

20240406 在日ドイツ企業の好調に想う

<Japanese> 在日ドイツ商工会議所が最近発表した、在日ドイツ企業164社(うち機械22%、自動車10%、電機9%、大半が販売機能中心)に対するアンケート調査を私なりにチェックしてみました。 日本のビジネス環境に関する評価は、全体として概ねポジティブなものとなっ</japanese>…

20240406 週末のBloombergより

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再…

20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)

①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaets…

20240404 ヘッセン州立銀行による独DAXの総合評価:ホールド

私自身がドイツで保有する証券ポートフォリオの中の約1割を占めるDAXのポジション調整の際に参考にしているヘッセン州立銀行の「株式チャートブック」がアップデートされたのでそのエッセンスをご紹介します。 https://mailing.helaba.de/-link2/15466/16757…

20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)

今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5…

20240329 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、IMFブログの分析データなど)

①経済省GDPナウキャスト~実質GDP2024Q1:前期比▲0.2%。ifoCAST、ドイツ連銀WAI、市場予想などとも整合的。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/04/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②時間当たり労働コスト(2023…

20240328ドイツ雇用統計、不況の割にしっかり

先ほどドイツの3月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+4千人と、市場予想(+10~20千人)より気持ち強めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、これがヘッドラインであるかのように誤解しがちですが、ドイツでは全く重視されて…

20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)

①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このよう…

20240327 ドイツ5大研経済予測のエッセンス

https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそ…

20240326 ドイツ個人消費、まだ回復の手掛かりなし

https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、…

20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)

①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ…

20240323 週末のBloombergより

youtu.be ◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。◆GDPとインフレ予想が上…

20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)

①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <…

20240321 ドイツ連銀月報経済分析のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ド…

20240321 ドイツ銀行協会経済予測のエッセンス

本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主…