日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

GDP

20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)

①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このよう…

20240327 ドイツ5大研経済予測のエッセンス

https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそ…

20240326 ドイツ個人消費、まだ回復の手掛かりなし

https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、…

20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)

①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ…

20240323 週末のBloombergより

youtu.be ◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。◆GDPとインフレ予想が上…

20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)

①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <…

20240321 ドイツ連銀月報経済分析のエッセンス

https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ド…

20240321 ドイツ銀行協会経済予測のエッセンス

本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主…

20240320 独IAB/IMK経済予測のエッセンス

本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局…

20240319 ドイツ経済省経済月報のエッセンス

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは…

20240316 賃金/物価の好循環実現で日銀マイナス金利解除へ

<Japanese> ここ数日相次いでいるリーク記事によると、3月19日の日銀金融政策決定会合で、世界最後のマイナス金利政策がいよいよ解除されることになりそうです。春闘第1回回答集計での平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となり、日銀は賃金と物価がそろって上昇</japanese>…

20040316 週末のBloombergより

youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始…

20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり

ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇…

20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)

①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっ…

20240310 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり

3月のECB理事会結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。ドイツの景気が悪いからといって、利下げを急いで欲しいという論調は殆どありません(実質マイナス成長はインフレが原因と広く認識されているため)。 今回ECB主要金利はすべて据え…

20240308 ドイツの気になるデータ5選(受注、生産、PPIなど)

①製造業受注(1月)~12月の前月比+12.0%をほぼ吐き出す▲11.3%(濃い赤)。除く大口受注(薄い赤)ベースでは明確な減少トレンド持続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_086_421.html ②鉱工業生産(1月)~前月比+1.0…

20240308 ifo研経済見通しのエッセンス

https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-06/ifo-economic-forecast-spring-2024-german-economy-paralyzed ifo研のドイツ経済見通しのアップデートが発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 景気回復の兆しが見られず、年前半も不調が続きそうな…

20240307 ドイツ鉄道のストによる経済損失試算

https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/bahnstreik-kostet-fast-nichts-ausser-die-nerven/100020978.html?utm_source=sf&utm_medium=nl&utm_campaign=hb-eveningbriefing&utm_content=07032024&key=0031t00000QBKYoAAP 今日明日とドイツではまた…

20240306 キール研最新経済予測のエッセンス

IfW(キール研、ドイツ5大研の一角)から新たなドイツ経済予測(上図の通り今年ははずか+0.1%成長、12月予想比▲0.8%下方修正)が発表されていますので、以下、そのエッセンスをご紹介します。 各種構造問題やECB利上げによるブレーキのため、ドイツ経済の…

20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)

①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で…

20240305 トランプ再選の場合のドイツの経済損失試算

https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/juergen-matthes-thomas-obst-samina-sultan-zweite-trump-aera-koennte-die-deutsche-wirtschaft-bis-zu-150-milliarden-euro-kosten.html 経営者団体系シンクタンクIWが「もしトランプが再選されたら」…

20240303 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ウクライナ支援など)

①経済省GDPナウキャスト~Q1前期比+0.1%を予想。一方、ドイツ銀行は▲0.1%、ドイツ連銀は「恐らく(小幅)マイナス」との読み。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/03/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②新車販売…

20240302 週末のBloombergより

youtu.be ◆クルークマンに言わせれば、Goldilocksと呼ぶにはインフレが高すぎ、景気は弱すぎる。◆Data dependent というのは、データの表面的結果をダッシュボードで確認するだけでなく、アネクドータル情報などと絡めて、データの底流の流れや将来の方向性…

20240302 ドイツ経済は絶不調でもDAXは連騰中

<Japanese> ドイツの景気は、昨年▲0.3%のマイナス成長で着地した後も全く改善の手応えがなく、経済界が首相に苦情を申し入れるほど芳しくありませんが、ドイツのベンチマーク株価DAXは2月21日から負けなしの8連騰で毎日高値更新を繰り返しています。但し、株主の2/3が</japanese>…

20240229 ドイツの気になるデータ5選(賃金、小売売上、インフルなど)

①賃金~2023年通年ベースでは、インフレ+5.9%に対し、名目賃金+6.0%で実質賃金が辛うじてプラス転換(+0.1%)。2023年Q4では各+3.5%/+5.4%/+1.8%と実質ベースでしっかりプラス転換。 労組はコロナ後数年間続いた実質賃金のマイナスを取り返すべく、今…

20240229 ドイツ鉱工業生産の苦悩

ドイツの鉱工業生産(上図黒線、実質ベースインデックス)は、2023年前年比▲1.2%(2022年▲0.2%)と減少しました。2018年頃から既に長期低下傾向にあり、コロナからの回復後もその低下トレンドが再開しているように見えます。 水準としては2018年のピークか…

20240227 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャストなど)

①ifoCAST(ifo研が2週間毎に発表しているGDPナウキャスト)~Q1が前期比▲0.27%、Q2が+0.17%と軟調継続。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②WAI(ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表しているGDPナウキャスト系指標)~実質GDP換算(3m/3m前期比)で+0.3%とプラ…

20240224 週末のBloombergより

youtu.be ◆FED高官は軒並み「早すぎる利下げ」に警鐘。「Slower to lower」。◆2年物米国債利回りは今年のボトムから約50bp上昇し、利下げ期待は6月スタート/年内3.4回(ほぼ12月時点でのFED予想)にまで後退。◆6月に実際にFED利下げに踏み切るには、サービス…

20240223 ドイツの気になるデータ5選(PMI、ifoなど)

①総合PMI(2月)~製造業の状況(右)が再び悪化し、総合アウトプット指数(左)から見てQ1GDPは前期比マイナス不可避の情勢(市場予想は前期比▲0.1%程度)。景気回復の手がかりが全く見えない状態が続いてしまっている。 https://www.pmi.spglobal.com/Pub…

20240222 ドイツ経済4年間低迷の経済損失5,450億ユーロ

https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/michael-groemling-der-deutschen-wirtschaft-fehlen-545-milliarden-euro.html 先ほど経営団体系シンクタンクIW(ケルン研)から発表された経済損失試算がなかなか興味深いので、そのエッセンスをご紹介…