日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

サステナビリティ

20250103 ドイツ最新ニュース速報(1月3日)~ドイツ自動車業界の苦悩など

①【本日の注目点】 (冒頭写真)ドイツ自動車業界、今年も苦境継続必至。高価な大型内燃機関車があまりにも得意だったので、安価な小型EVでの対応が大いに遅れ、特にソフトウェア面で中国に大きく見劣り。魅力的小型EVでの採算確保は非常に困難であり、この…

20241225 ドイツ最新ニュース速報(12月25日)~大統領と法皇のXMAS演説など

①【本日の注目点】 (冒頭写真)シュタインマイヤー大統領の毎年恒例のXMAS演説:「このクリスマスには暗い影が差している」「(マクデブルクで起きた事件に)痛み、恐怖、困惑を感じている」、「(事件を受けて治安と移民をめぐる議論が再燃する中)憎しみ…

20241013 ハンデルスブラット紙の素晴らしい企画

https://www.handelsblatt.com/politik/deutschland/zukunftsplan-deutschland-60-ideen-fuer-unser-land/100063968.html 解説動画 youtu.be <Japanese> 今週のハンデルスブラット週末特別号は、ドイツ再生のための「未来プラン」というタイトルの実に興味深いものだっ</japanese>…

20241005 週末のBloombergより(データセンター市場の急拡大など)

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆市場予想レンジを上回る強い雇用統計を受けて、11/7のFOMCでは▲50の予想が消滅(▲25bpに収斂)。年内2回計▲50bp、ターミナル金利3.3%あたりに大きく上方シフト。1…

20240823 ドイツと日本の違いに想う

youtu.be <Japanese> ドイツと日本の両方でかなり長く暮らしていますが、かねてからドイツと日本の最大の違いは、「ドイツで日曜祭日にお店が閉まっていること」だと思っています。日曜日を安息日とする宗教上の理由もあるのでしょうが、年間労働時間の国際比較(2022</japanese>…

20240821 ドイツ銀行協会「ドイツにおける銀行の役割」(アップデート)

https://bankenverband.de/unternehmensfinanzierung/banken-deutschland-auf-einen-blick/ 本日ドイツ銀行協会が、「ドイツにおける銀行(の役割)」という冊子(ポジションペーパー)を発表(更新)しており、その内容がなかなか興味深いので(改めて)ご紹…

20240818 ドイツの当面の経済政策

www.bundesregierung.de ドイツ・ショルツ政権の足元の経済政策のポイントを簡潔にまとめると以下の通り: 【冒頭グラフ】供給サイド(緑)を中心(9割を占める)に49の施策。4本柱は①労働、②資本、③エネルギー、④官僚主義削減関連。 最終的に目指すところは…

20240817 投資家必見のBloomberg動画

<Japanese> 毎週末BloombergのYouTubeチャンネルで「Real Yield」(金利・クレジット関連中心、20分程度)と「Wall Street Week」(政治経済のホットイシュー中心、50分程度)を欠かさずチェックするようにしています。半分は活きた英語の勉強、半分は投資情報収集用に</japanese>…

20240816 ドイツの気になるデータ5選(インフレ期待下げ渋りなど)

①インフレ期待~今後12カ月でインフレが上昇すると感じている市民(赤・橙)は約4割。期待インフレ率は3%で下げ渋り(コロナ前より高い水準)。物価水準はコロナ前比全体で2割増、うち食品は3割増となっており、今後インフレが低位で推移しても生活への圧迫…

20240727 週末のBloombergより(セクターローテーションの流れなど)

youtu.be ◆9月18日▲25bp利下げの確信が深まり、イールドカーブがスティープ化し、株ではセクターローテーションが進んだ1週間。◆一部には雇用が急速に悪化し始める前に7月31日にも利下げを開始すべきとの声もあるが、強めのGDPなどに見られるように、景気全…

20240725 対ドイツIMF4条協議報告のエッセンス

www.imf.org 先日(7/15)完了したドイツに対するIMF4条協議の結果のエッセンスは以下の通り: ドイツ経済はウクライナ危機後のエネルギーショックから回復し始めている。 エネルギー節約のインセンティブを維持しながら所得支援を提供するなど、ドイツ政府…

20240721 世界的システム障害についてのドイツメディアの報道ぶり

クラウドストライクのソフトウエア・アップデートが引き起こした今回の世界的システム障害についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 世界中の企業や政府機関のシステムがクラッシュし、数時間にわたって業務がまひした。 空港では数千便のフライト…

20240720 ドイツ製万年筆再発見:物を大切に

<Japanese> 仕事柄もう13年以上ドイツと付き合っていることもあり、万年筆は「Made in Germany」のペリカンとラミーのものを1本ずつ持っています。共に吸引式の相応の高級品で、特にペリカンのものはリサーチ活動の賞品として名前が刻印されている思い出の品です。とこ</japanese>…

20240713 週末のBloombergより(FED利下げなど)

www.youtube.com ◆景気も雇用もそこそこしっかりしている中でインフレが低下しており、米経済の全体のバランスとしては良いものになってきた。市場は9月スタートで年内2〜3回の利下げ(ドットプロット以上)を織り込んでいる。 www.cmegroup.com ◆米経済をこ…

20240707 週末のBloombergより(米雇用統計など)

youtu.be ◆失業率の上昇などをみる限り、雇用の実態は事業所統計の表面の数字以上に減速している可能性(月+20万ではなく実は月+10万)があり、債券市場は素直に金利低下で反応。9月利下げに大きく前進。 ◆民主党議員の間でもバイデンのままでは自分も落選す…

20240619 IMD国際競争力ランキング:ドイツ24位、日本38位

www.imd.org 在独ビジネスマンとして念頭に置いておくべき本報告書(スイスのビジネススクールIMDの国際競争力比較、毎年発表)のエッセンス: 日独共通の強み: 科学インフラ、タイトな雇用、健康や環境面での先進性 日独共通の弱み: 改革意欲(柔軟性、適…

20240606 ドイツの気になるデータ5選(ライン川水位、インフル流行など)

①ライン川水位(@デュッセルドルフ)~今日明日くらいは警戒水位(7.1m)ぎりぎりまで上がるものの、その後は落ち着く見込み。 https://vorhersage.bafg.de/14-Tage-Vorhersage/Duesseldorf_14Tage.pdf 洪水警報自体は続いているものの、南部洪水被災地域で…

20240506 ドイツの気になるデータ5選(消費者センチメント詳細など)

①HDE消費者センチメント~比較的しっかりとした回復基調にあり、予想比後ずれしていた個人消費の回復に期待できそうな感じになってきている。 景況感(橙)の回復と共に所得(緑)に対する自信も高まり。。。。 貯蓄性向(橙)が緩む一方で、購買意欲(緑)…

20240502 OECD経済見通しのドイツ部分のエッセンス

<全体> https://www.oecd.org/economic-outlook/may-2024/ https://read.oecd-ilibrary.org/view/?ref=1265_1265108-ee6rdghes4&title=oecd-economic-outlook-presentation-may-2024 以下がこちらのドイツ部分のエッセンス: https://www.oecd-ilibrary.or…

20240424 ドイツの肉類に表示されている「飼育状況」ラベルについて

https://haltungsform.de/ ドイツのスーパーで売られている肉・卵類の多くに、食品比較用参考情報として上図のようにカラフルな「飼育状況(Haltungsform)」ラベルが表示されている。特設サイト(上記)での解説をベースにエッセンス(活用法)をまとめると、…

20240421 ドイツの気になる世論調査結果5選(中東情勢、ベーシックインカムなど)

①中東情勢~イランのイスラエル直接攻撃後、更なるエスカレーションを恐れる人が74.6% ②一日の労働時間~生産性と労働者保護のバランス的にベストな労働時間は①7-8時間:37.7%(増加傾向)、②6-7時間:24.0%(横ばい)、③8-9時間:13.8%(横ばい)、④5-6…

20240420 ドイツで着実に前進する難民労働力戦力化

ドイツ連邦雇用庁のデータによると、ドイツで受け入れた難民が着実に労働力として戦力化し始めており、人手不足問題の緩和に寄与している模様。 https://statistik.arbeitsagentur.de/Statistikdaten/Detail/Aktuell/arbeitsmarktberichte/faktenblatt-asyl8…

20240417 ショルツ首相訪中についてのドイツメディアの報道ぶり

今回のショルツ首相2回目の訪中についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り。 今回の訪中の主な目的は、①【最重要】ウクライナ問題への協力要請/ロシア支援阻止、②補助金で支援された輸出ダンピング(特にEVや再エネ関連)の阻止、③中国市場へのアクセ…

20240416 ドイツの人口動態問題

①少子高齢化の深刻さ度合いを、労働力人口(15~64歳)に占める65歳以上の高齢者の割合でみると、ドイツ(赤)はイタリア(緑)に続いて日本(灰)に急速に追いつこうとしている。 ②20歳と65歳の人口差は、足元の27万人から、10年後には62万人に拡大見込み。…

20240413 週末のBloombergより

youtu.be ◆強めのCPIでディスインフレ傾向への自信が揺らぎ、米金利急騰。FED年内利下げ期待は1~2回に後退。10年金利は4.5%強まで上昇。中東リスクの高まりもあり株価も軟調。◆企業収益については弱めの景気をベースに慎重目に置いた以前の予想がまだ残っ…

20240409 進まぬドイツの対中デリスキング

https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2024/IW-Report_2024-Importabh%C3%A4ngigkeiten-China.pdf ドイツ経営者団体のシンクタンクIW(@ケルン)から「2023年対中輸入におけるデリスキング」というタイトルの興味深いレポート…

20240406 週末のBloombergより

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再…

20040316 週末のBloombergより

youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始…

20240315 ドイツで中古品売買活発化

IFH(ケルン商業研究所)の「持続可能性消費者モニター」(やハンデルスブラットの解説記事)によると、インフレとエコ意識の高まりのため、ドイツで中古品の売買が活発化している模様です。ポイントは以下の通り。 ドイツにおける持続可能性の重要性/意識は…

20240309 週末のBloombergより

youtu.be ◆パウエル議長証言と米雇用統計(新規雇用と賃金が気持ち弱目)により、政策金利を中立水準に向けて微調整する利下げがいよいよ6月あたりに始まるという現実味/手応えが出てきた一週間。◆問題はその後の利下げペース。市場が織り込む年内計3.8回と…