IFH(ケルン商業研究所)の「持続可能性消費者モニター」(やハンデルスブラットの解説記事)によると、インフレとエコ意識の高まりのため、ドイツで中古品の売買が活発化している模様です。ポイントは以下の通り。
- ドイツにおける持続可能性の重要性/意識は年々高まっている。
- 特にZ世代は地球環境問題への関心が高く、積極的に街頭デモに参加するし、小売業には具体的なサステナビリティの追求を求めている。
- 小売においては、修理(Repair)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)への対応が重視されている。
- 一部の小売店はこのトレンドを捉え、中古品を積極的に取り扱ったり(H&M、Zalandoなど)、修理サービスを提供したり(イケア、ザラ)し始めている。
- 多くの「グリーン」スタートアップも誕生し、成功しているものもある。
- ドイツの古典的な蚤の市に加えて、中古品を扱うオンライン マーケットプレイス(eBay、Rebuyなど)が台頭している。
- 以前中古品はB級品などと蔑視されていたが、最近はインフレ対策の節約、収入の足し、サステナビリティに貢献する手段として人気化している。
- その結果、リコマースとして中古品取引が見直されている。
- オンライン販売にはB2CとC2Cがあるが、買い手のC(個人)としては、売り手がB(企業)の方が、代金決済、商品の品質、配送などに関してより安全だと感じることが多い。
- その結果、中古品のオンライン販売においてはB2Cのシェアが66%と大きくなっている。小売業者としては参入機会を伺っておくべき。
- 消費者の購買行動は、より持続可能性の視点に左右されるようになってきている。そもそもその製品を購入する必要があるのかどうかを慎重に検討する消費者が増えている。
- 最近の買い控えの最大の理由はインフレ(58%、複数回答)ながら、環境保護意識44%、持続可能性への配慮42%もかなり大きい。
●中古品販売は近年順調に増加。昨年159億ユーロ(2.5兆円相当)、前年比+7.4%。中古品取引が小売業全体(2023年名目ベース前年比+2.5%)を上回るペースで成長していることが確認できる。小売売上6,503億ユーロの2%強の規模感。
<IFH解説動画>
<日独経済日記>