日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230331 ドイツ小売売上、3か月連続で弱目


先ほどドイツ連邦統計局からドイツの2月小売売上の発表があり、

 実質:前月比▲1.3%、前年同月比▲7.1%
 名目:前月比▲0.5%、前年同月比+2.6%

3か月連続で市場予想を下回る弱い着地となっていました。

 

2月インフレ率が前年同月比+8.7%と高止まりしたため、名目はプラスでも実質は大きくマイナスになってしまっているという状況です。

 

名目(ピンク色)は結構な高水準を維持しているにもかかわらず、この1年くらいはインフレに大きく食われて、実質(赤色)がじりじり切り下がり続けています。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_130_45212.html

 

なお、消費者信頼感はGfK、HDEとも昨年後半に大きく下げた後、回復中ながら、水準としては低いままになっています。小売売上の押上げにはまだ力不足な印象です。

 

小売売上はドイツ個人消費の3割程度しかカバーしていないので、これだけでGDPの強弱をとやかく言えるものではありませんが、今年の第1四半期のGDP(プラスかマイナスか微妙な情勢)が前期比マイナスとなるリスク(ドイツ連銀やマーケットはマイナス予想)はやや高まったかもしれません。

 

なお、今年は+5~6%の賃上げが予想される中、年後半に向けて(ベーシス効果のおかげもあって)インフレは低下に向かいますので。。。

 

個人消費(∝小売売上)も今を底に今後はゆるやかながらも回復軌道に入るものと予想されます。