https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/05/PD23_171_45212.html
今朝ドイツ連邦統計局から発表された、3月小売売上高は
①名目:前年同月比▲0.1%、前月比▲1.3%
②実質(インフレ差し引き後):前年同月比▲8.6%、前月比▲2.4%
市場予想(下図:実質前月比+0.4~0.5%)比かなり弱い内容となっていました。
インフレが高いので実質マイナスはある程度やむを得ないのですが、今回名目ベースでしっかりと下落に転じているのが特徴です(上図薄赤線)。
https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales
先日発表されたQ1(1~3月期)実質GDPが前期比プラスゼロと予想以上に低調でしたが、その一因になったものと思われます。
今年もインフレ(+6%前後)が賃金上昇(+5%前後)を上回りそうなため、4年連続での実質賃金減少が確実な情勢です。所得をずっとインフレに食われ続けているため、消費意欲がじりじりと減退し、小売売上の減少トレンドが強化されつつあるものと思われます。コロナ後好調だったインターネット・通信販売でも▲4.8%と低調です。
消費者センチメント(HDE:赤、GfK:青)は、最近やや回復基調ながらも、水準としてはコロナ前をはるかに下回る状態が続いています。
ドイツ小売協会(HDE)は、折からのコスト上昇とこのような売上低迷長期化のダブルパンチを心配しており、今年約9,000件の小売店の廃店を予測しています。