日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230831 ドイツ7月小売売上まだ軟調

https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales-annual

 

先ほどドイツ連邦統計局から7月小売売上(ドイツの個人消費の約1/3、GDPの2割弱を占める)が発表され、実質ベース(インフレ分差し引き後)で前年同月比▲2.2%と、市場予想(▲1%前後)比かなり弱い内容となっていました(上図)。

 

名目ベース(薄赤)の伸びが最近頭打ちになり、6%超の水準からなかなか下がらないインフレに食われて(2線の差)実質ベースも(赤)軟調な推移となっています。

<HICP前年同月比は+6.4%と最近下げ渋っています。>

<ECBのインフレ目標は年2%ですから、HICPの前月比は
 せめて+0.2%(できれば時々+0.1%)くらいまで下がって来ないといけません>

 

食品は多少値上がりしても買うしかないので名目ベース(赤)はまだ増えていますが、実質ベース(青)はほぼ横ばいが続いており、消費者は最低限必要な食品を値上がりしてもひたすら買い続けているものと推察されます。

所得が伸びない限り、食品以外を買い控えざるを得ない状況とも言えます。

 

ドイツの2大消費者センチメント指標(赤:HDE、青:GfK)とも、最近戻し気味ではあるものの、まだかなり低水準にとどまっています。


昨年来ドイツの労組がインフレ分を補うための大幅賃上げ獲得に力を入れてきましたが、今年4-6月期には名目賃金(赤)の伸びがインフレ(黒)の伸びをわずかに上回り、実質賃金が前年比+0.1%とプラ転しました。

これからいよいよ実質賃金プラス転換⇒個人消費持ち直し、という軌道に入ると思われますので、今後の小売売上に潮目の変化に注目していきたいと思います。

 

 

<ドイツ賃上げ動向アップデート>

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<ドイツ経済全体感アップデート>

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