日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240427 週末のBloombergより

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◆StickyなインフレでFED利下げ期待が一段と後退(あっても9月以降、年内なし確率2割まで上昇)。2年金利は5%、10年金利は4.7%まで上昇。
◆5/1のFOMCではこれまでよりタカ的トーンになり、6/12の利下げオッズ(現状確率1割)が消えそう。利下げはどんなに早くても9月となり、大統領選前の景気浮揚には遅すぎてバイデンには逆風か。
◆引き続き債券の実質金利は魅力的なので、利回りをロックインするニーズのある投資家は積極的にこのチャンスを活かすべき
◆来週は雇用統計がFOMCの後に来る。「次は利上げではなく利下げ」という点についての自信が揺らぎ始めていて、ただでさえ高官コメントや経済指標に敏感になっている市場は荒れ(債券ボラが高まり)やすい
◆リスク量を許容範囲内にしっかりコントロールしつつ、長期目線でのエントリーを心がけるべき。
欧州では景気とインフレの動きが米国とは全く異なるので、米債への連れ安局面で欧州債への投資もチャンスになりうる。
◆じりじりと金利が上昇する中、投資家がやや慎重化するような動きも見えるが、新発債市場は引き続き活況。
◆クレジットスプレッドはIG89bp/HY331bpと引き続きタイト。デフォルト上昇期待がやや低下する中、投資家は利回りの絶対水準(今かなり高い)を重視している。
◆EMクレジットではエジプトやエアラインが魅力的か。

 

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◆今後のインフレ動向を見極めるためには、川上のコモディティ価格と消費者直結企業(小売、クレカなど)の情報を注視すべき。
◆金投資は昔(1970年台)は確かにインフレヘッジに有効だったかもしれないが、今では他にもっと有効なヘッジ手段がたくさんある(各種コモディティ、債券先物ショートなど)ので、その機能は失われた。金価格は地政学リスクに伴う需給シフトでドライブされていると見るべき。
◆中国の企業向け補助金(とそれでサポートされた輸出ダンピング)が批判されているが、産業政策の名のもとに巨額の企業向け補助金を出しているのは米国(ひょっとすると欧州)も同じ。
◆政府の補助金は一般的に、10年後のloserを選ぶのはうまくてwinnerを選ぶのが下手くそ。うまくやっているのはシンガポールと韓国くらいか(他国の失敗の教訓を活かして後追いしている)。
◆ロスとベガスを2時間で結ぶ高速鉄道ブライトライン・ウェスト)には車移動から大量シフトが見込める。渋滞もなく快適かつ環境にも優しいという点が多くの支持を集めそう。
◆米国のアート(演劇、音楽、絵画など)市場は1兆ドル規模。アートの視点は限界を乗り越えて新しいものを生み出そうとする一方、ビジネスの視点は慎重なブレーキを掛けようとしがちなので、そのバランスが重要
◆一般的にアートは「贅沢品」と思われているので、普通のビジネスより難度が高い(間違いが許されない)。ドナーと価値観を共有した上で、彼らを熱狂させるような運営を続ける必要がある。
アートの世界でも、デジタル技術を、①新たな表現手法、②聴衆へのアクセス拡大に活用している。但しライブパフォーマンスがデジタル配信にとって代わられることはない
◆リピーターを増やすための工夫も大切。単純に所蔵作品を見せるだけでなく、ライバルの作品を対峙させるとか、歴史に結び付けるなどの「ストーリ化」が重要
カーネギーホールはコロナ前とほぼ同様のフル稼働状態に戻っているが、NYメトロポリタンミュージアムはアジアからの観光客の戻りが鈍い(観光客は地元民より多くのおカネを落とすのでこれは痛い)。
◆NYがフランフルトや上海などと違うのは、圧倒的アート提供力。街に集まるハイスキル/頭脳労働人材は、常に高品質のアートを求めている

 

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