日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240217 週末のBloombergより

◆単月データ(特に年初は季調がトリッキー)の過大評価は禁物ながら、CPI・PPI揃っての上ブレは、早期利下げ期待を大きく押し返す(5月3割、年内4回)に十分だった。
イールドカーブは大きくベアフラット化。債券インデックは昨年12月FOMC(次は利上げから次は利下げというPivotにシフトした会合)以降のゲインを全部吐き出した。
◆但しインフレ再加速までにはかなりの距離がある(サービスがサベ渋っているだけな)上、すでに金利水準は十分高いので、多くの投資家にとって時価評価上多少のボラを容認するのは難しくない。
◆誰にも最後までなってみないとわからない利下げの回数より、次は利下げという方向性が大事。金利のレンジ上限を見極めて(中長期債を)うまく買い増しておきたいところ。
ブリストル・マイヤーズ・スクイブの130億ドルの起債に850億ドルの需要が集まるなど、プライマリー市場は仕上がり金利やトータルリターンに注目する投資家からの旺盛な需要を反映して活況継続。但し、スプレッドはその分タイト。
◆マチュリティウォールは投資家にとってむしろチャンス。リセッションでクレジットリスクが高まるのではなく、需給要因でスプレッドが拡大するなら、投資家にとってより魅力的な仕上がりになる。
 

 

◆次が利下げではなく利上げになるオッズのサマーズ氏の見立て;現時点で15%(リスク管理的に無視はできないが高くもないレベル)。景気が強い中、財政出動で需要がさらに強まるなどすればありうる。
◆強いインフレ指標で早期利下げ織り込み分をかなり吐き出したが、マーケットのリアクションは引き続きゴリディロックス(比較的しっかりした景気の中でのディスインフレ継続)的な範囲内。
◆ノンエージェンシーモーゲージの中には安全かつイールド面でかなり魅力的なものが散見される。
◆NY市ではコロナと難民・移民対応で財政赤字が急速に膨れ上がった。人手はいずれ戦力となり経済にも財政にも貢献するが、緊急対応で膨れ上がったコストをうまく圧縮してゆかなければならない。
◆NY市に対する内外からの各種期待を裏切るわけにはいかないので、コスト全体を一律平等に減らすというのは得策でない。色々な角度から見直して、個別に大胆な削減が必要。今その作業を進めている。
◆グローバルベースでの脱炭素とデジタル化を支えるインフラには、道路や港とは全く異なる巨額の投資が必要になる。政府が長期コアリスク部分を引き取りつつ、多くの民間企業が資金とノウハウを持って集結するような官民連携が必須。
◆バイデンは他の西側諸国と連携してなかなか良い外交を進めているが、米国内の有権者からは評価されづらく、トランプ相手に苦戦している。
◆脱炭素、環境保護、動物愛護などへの対応でコストや事務負担が増す/補助金減で収入も減る一方の農民たちは、堪忍袋の尾が切れて、世界中で政府施策に抵抗するために立ち上がり始めている。