日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240210 週末のBloombergより

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FEDは市場の早期利下げ期待を、5月利下げ開始(確率半々)年内5回、まで一段と push back。
◆一方で、利上げのリスクはないのでイールドをロックインしたい債券押し目買いがしつこく入る展開。大量の社債発行に対する投資家の需要もしっかり。
◆昨秋より金利が1%近く低下した今のうちに前倒し調達に動いている発行体もある。
地政学リスクの高まりや中国経済の予想外の好転によるインフレリスクが怖ければ、物価連動債を買うべき。
◆利下げが早期かつ大幅になる緊急性が全く感じられないので、イールドカーブのスティープナーへのエントリーのタイミングではない。
◆このまま金利高止まりが長期化すると、商業用不動産(特にオフィス)やマチュリティウォールへのダメージが心配。
◆米IG/HY: 95bp/321bp というスプレッドはタイトで妙味乏しいが、絶対イールド水準は引き続きかなり魅了的。金利ボラ低下もスプレッドタイト化を強く後押し。
◆クレジットの質的悪化は徐々に拡大しているものの、当初の予想よりは遥かにゆっくりかつマイルドなものにとどまっている。格下げの嵐などが起こる可能性は引き続き低そうに見える。

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S&Pが5000の大台突破。企業業績の改善(AIによる生産性向上もあり、通年では10〜12%が狙える)と裾野の広がりが進み、金利もまあ落ち着いている。
世論調査でトランプが優勢だと株価が強いという相関関係も明確になってきており、トランプは市場フレンドリーという認識が広がっている可能性もある。
◆市場はまだ米大統領選の影響を十分織り込めていない(アノマリーの株高は期待している)が、トランプなら10%の関税によるサプライチェーン障害、バイデンならトランプ減税打ち切りという悪材料をこれから消化しなければならない。
◆資金を仲介するだけでの銀行では付加価値が乏しく、より経営にアクティブに参画してソリューションを提供する中長期プライベートファンド(特にインフレ投資で)に対するニーズが高まっている。
◆金融においてはALMが非常に重要。無理な新規投資や不本意な投げ売りを強いられるような負債の持ち方をすべきでない。
FEDには利下げで現政権を支えたい政治的バイアスがある程度はあるはずだが、2%のインフレまでまだ距離が残る中、現在のような景気の強さが続いているうちは利下げを正当化しづらい。
◆商業用不動産向け不良債権起因の地銀リスクが再浮上する中、銀行の資本増強義務強化は不可避な情勢。金融当局から見て、現状程度の自己資本比率(20%以下)で過大資本を議論するのはナンセンス。
◆KKRが出版社買収。ストリーミングの普及とともに有料コンテンツのオーディオブック化需要が高まるのを狙っている。出版社の財務強化は優秀な編集者や著者を惹きつけ、さらなるコンテンツ充実につながりうる。

 

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