日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240112 週末のBloombergより

◆3/20のFOMCまでCPIはあと2つあるが、12月のCPIはstickyで早期利下げの背中を押さない内容だった。
◆それでも市場は3月利下げ開始確率8割、年内計7回近くを織り込んでおり、行き過ぎとの見方も根強い。
◆一方で、年前半開始でなくても、利下げは一旦始まれば大きくなるという期待も根強い。
◆その結果、米国債の買い需要はかなり根強く、2年国債イールドは4.15%まで低下(イールドカーブはスティープ化)した。
◆今週欧州市場は1200億EUR超の起債ラッシュだったが、金利低下トレンドへの確信を背景に需要は旺盛で、難なく消化された。
金利がピークアウトしたとはいえ、社債市場では今後高コストでのリファイナンスが迫っている。多くの企業の財務は健全で、利払い負担増を事業計画に織り込んで対応しているが、一部は苦境に陥るかも知れない。
◆今後デフォルトはある程度上昇しそうな割にはスプレッドがタイトそうにも見えるが、イールド全体として魅力的であればクレジットとデュレーションを厳密に分けて考える必要はない(投資妙味はある)。
 
◆家賃(半年以上前の実勢しか実質的に反映できない)を除くコアCPIは+2.2%まで下がっている。PPIの低下と併せて考えると、インフレ低下トレンドは見た目よりしっかりしている。
◆資産運用顧客の関心は、企業業績の反転底打ちが確認できつつあることもあり、マクロ経済から地政学・選挙(プラス利下げタイミング)にシフトしている。
◆「もしトラ」に市場がどう反応するかは予想しづらい。減税や(脱炭素を含む)規制緩和はビジネスフレンドリーかも知れないが、保護主義強化、法の支配軽視、外交面での混乱も相応にありそうなので、前回のようなトランプラリーを安易に期待すべきでない。
◆インフレ期待は落ち着きつつあるが、賃上げは4%超が当面続く見込みであり、よほどの生産性上昇がなければインフレの基調は3%くらいになる。市場がインフレ高止まりリスクを過小評価している可能性はある。
◆米景気が予想以上にしっかりしているのに、バイデン政権の経済政策に対する市民の評価が低いのは、インフレによる生活苦のせい。失業は少なくてもインフレの悪影響は幅広く認識されてしまう。