https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_423_45212.html
先ほど9月ドイツ小売売上高が発表になり、実質、名目とも大きめのマイナスとなっていました(実質前月比▲0.8%、名目前月比▲0.7%、上図は実績水準)。
インフレ減速で名目と実質の差が小さくなっていることは朗報ですが、2カ月連続で市場予想を大きく下回る数量(実質)低下が続いており、基調はまだかなり弱いと言えます。
https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales
①インフレ低下と②強めの賃上げという購買力回復のダブルエンジンがそろそろ効き始め、個人消費が下図のような回復軌道に入ると予想されている(5大研秋季経済予測)わけですが、今のところその兆候はハードデータには出てきていないということになります。
https://gemeinschaftsdiagnose.de/wp-content/uploads/2023/10/IfW_Kiel_GD_2_2023_RZ_3_web.pdf
ちなみにまだリベンジ需要で少しは支えられているホテル(青)、レストラン(赤)はまあまあ健闘はしているものの、コロナ前のレベルには戻しきれずに横ばい推移が続いています。
レストランのVAT減税(19⇒7%)は年末に終了するので、来年初以降はかなり不安です。
消費者センチメント(赤:HDE、青:GfK)は、インフレ低下と共に持ち直し基調ながら、まだ低水準に留まっています。
https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft
経済が異常なまでの逞しさを見せている米国と異なり、ユーロ圏では利上げが早速効いて景気が急速に減速していることから、先週のECB理事会後、 来年3月までに25bpの利下げが行われる確率は約40%まで上昇しています。
追加利上げは景気に対するダメージが大きいので、もし今後インフレが上ブレるようなら、ECBは今の金利を長く引っ張ることにより対応しようとするものと思われます。
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