世界でインフレが問題になり始めてからずっと、英フィナンシャルタイムズ(FT)紙が世界のインフレをモニタリングするための特設サイト「Global inflation tracker」で(一般人向けに)有益な情報を提供し続けてくれています。
ちょうど30分前に更新されたので、現時点でのエッセンス(主にドイツの視点から)を私なりに抽出してご紹介します。
●CPIの国際比較:
ドイツは高水準かつ下げ渋り
中国はデフレ気味(今局面でのデフレ輸出は西側諸国には好都合)
●今年の通年CPI着地見込み:
(川上物価は結構下がっているにもかかわらず)ドイツは6%でずっと動かず
日本はじりじり切り上がり、中国は急速に切り下がっている
●5年物インフレスワップ(市場のインフレ期待):
欧米とも(中銀目標の2%までなかなか落ちてこずに)2%超で横ばい継続
イタリアだけはずっと低い
●国際エネルギー価格:
(原油が最近上がってきているものの)概ね低水準で落ち着いた動き
●欧州家庭用電気料金:
ピークから低下も、ドイツ、英国、イタリアで高く、スペイン、フランスで安い
●欧州家庭用ガス料金:
ピークから低下も、いずれも戦争前より高止まり
イタリアがやや高め
●ドイツのCPI構成要素:
概ね6%あたりに収斂してきたが、食品が引き続き10%超で押し上げ要因
●国際食品価格:
典型的朝食の材料となる食品価格(赤線)は再びじり高傾向
オレンジジュースの上昇が止まらない
●住宅価格(水準):
金利上昇の効果でドイツを含む多くの国で頭打ち
私見:但しドイツ住宅価格の過大評価は大きくない(せいぜい2割前後)上、
住宅不足(需給ひっ迫)が深刻なので、暴落の可能性は低い
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