日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240406 週末のBloombergより

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

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◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。
◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再加速につながる可能性。これまでは強い景気とインフレ低下が共存していたが、そのバランスが崩れると危うい。
◆但し、今のところインフレが再加速するという兆しはないし、大統領選前に「次は利上げ」となるまでのハードルはかなり高い。これまで3回分利下げを吐き出したが、さらに追加で3回吐き出すのもかなり大変
◆金融システムリスクが心配なさそうで、強い成長が素直に企業業績のプラスになりそうな環境も悪くない。
◆今の雰囲気の中で債券を押し目買いするにはちょっと勇気がいるが、金利は恐らく確実にピークアウトしている上、実質金利(2%程度)がかなり魅力的であるという状況に大きな変化はない。
◆但し、最近は債券が指標やFED高官発言に対して大きく(ネガティブに)反応するように(ボラが高く)なってきており、債券は安全資産/ヘッジとしてやや使いづらくなっている。
◆起債市場は過去最高レベルの活況継続。スプレッドはタイトながらも、デフォルト急増→スプレッド急拡大の懸念乏しく、金利の絶対水準が魅力的という状況は不変。
投資家のポジションもロングでパンパンという感じではない(まだまだ買い余力ありそう)
◆このまま金利が高止まり、リファイナンスが心配になるタイミングがもし来るとすれば、もう少し先の今年後半くらいではないか。

 

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◆2024年は国際地政学的(特に台湾、中東、ウクライナ問題)にも各国国内政治的(特に米大統領選)にも重要な分岐点となりそう。
◆米国内政治は大統領選を前に大きく2極化しており、相互理解が不能な分断状態に陥っている。議会襲撃のような内戦のリスクすらある。本来はより強い中道層や、共和・民主間の共同作業が必要な局面。
◆米債務の膨張と高金利は元利金返済負担を雪だるま式に増やしている。米国債を積極的に保有するのをやめようと考える投資家がいつ増え始めてもおかしくない。
◆パウエル議長はどちらかというと(他のメンバーよりは)利下げしたがっているように見えるが、データがその思惑とは逆方向に振れており、状況をややこしくしている。
◆高利回りのCASHをたくさん保有していれば、いずれどこかでデュレーションを伸ばす決断をしなければならない。しかし、今回は通常の利下げサイクルと違って、断続的な利下げを背景に比較的長期間にわたって債券の値上がり益が享受できる局面は来ない(あくまで利回りを確保するゲーム)と見ておくべきかもしれない。
(サマーズ元財務長官に言わせれば)
◆①年率10%の雇用創出が続く雇用統計は米景気の再加速を示唆している。
◆②中立金利FEDの見立て(2.6%)より遥かに高く(4%以上)利上げはさほど効いていないと考えるべき。
◆③予想以上に強い成長、利上げ前より緩い金融環境、金利市場の織込み、巨額の財政出動などをみれば中立金利が上方シフトしていることは明白。
◆④中立金利水準を明確に特定/把握することなく適切な金融政策が運営できるわけがない。
◆⑤もう地均ししてしまったからといって6月に利下げ(市場織り込みは五分五分)を強行するのは愚の骨頂。よほどの外的ショックか金融システム不安再燃でもない限り、利下げが正当化される状況ではない。
◆⑥労働供給を増やしつつ、郷里送金で米国内需要を過熱させない移民を減らせば、新たなインフレ押上げ要因になる。
◆⑦中東情勢緊迫化や米金融システム問題はまだまだ心配。利下げは極力とっておくべき。
◆⑧中国は内需拡大ではなく補助金漬けの安い輸出で不況を乗り切ろうとしており、他国が保護主義で対抗する可能性が高い。世界経済の効率は低下し、これがインフレ圧力にもなる。

 

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