ドイツ・ショルツ政権の足元の経済政策のポイントを簡潔にまとめると以下の通り:
- 【冒頭グラフ】供給サイド(緑)を中心(9割を占める)に49の施策。4本柱は①労働、②資本、③エネルギー、④官僚主義削減関連。
- 最終的に目指すところは、①内外における安全保障(他の全てのモノゴトの大前提)、②社会の結束(分断抑止)、③気候変動対策、④経済成長(潜在成長率引き上げ)。
- ドイツの長期的繁栄を確保し、良好な雇用と脱炭素化の成功を実現するため、ビジネス拠点としてのドイツの競争力を高める。
【例】エネルギー減税、CO2貯蔵方法拡大、AI/デジタル化/EV普及促進、デリスキング支援など - 近年低下が顕著な潜在成長率を高めるために、企業に新システムや生産設備への投資インセンティブを付与。
【例】加速・特別償却拡大、研究開発費認定拡大、KfW支援融資拡大、低価格住宅供給促進、など - その他資本供給の強化、官僚主義からの解放、熟練労働者の確保にも配慮。
【例】EU資本同盟推進、新興企業支援、CSRD報告義務簡素化、熟練労働者移民の受入れ手続き簡素化、高齢者が自発的に長期間働くことに対するインセンティブ(年金上乗せなど)付与、など - 憲法に明記されている「債務ブレーキ」(政府新規債務をGDPの▲0.35%以内に抑制するルール)を厳守。
- 政府は本パッケージがGDPを+0.5%程度押し上げる効果があると主張(但し、あまり信じられていない)。
★重点49項目の詳細
★ショルツ首相の国民向け演説
https://video.bundesregierung.de/2024/07/16/jsy2s4-kk_2024071-master.mp4
★ドイツ経済クイックチェック