日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240310 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり

3月のECB理事会結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。ドイツの景気が悪いからといって、利下げを急いで欲しいという論調は殆どありません(実質マイナス成長はインフレが原因と広く認識されているため)

  • 今回ECB主要金利はすべて据え置きで変動なし。
  • ユーロ圏のインフレ率は目標の2%に徐々に近づいてきている。
  • 多くの専門家は今年6月に最初の利下げが実施されると予想している。
  • 但し、賃金上昇が予想以上に強ければ、利下げ開始見送りの可能性もある。
  • トランプ氏が米大統領に再選された場合、その後の予測不能性が世界経済にリスクをもたらす可能性がある。例えば、彼が中東紛争を激化させ、エネルギー価格高騰とインフレ再燃が起こるリスクには警戒が必要。
  • どのみち金融政策はすべての人を満足させることはできないので、ECBは利下げには相当慎重であるべき。
  • インフレ段階の開始時に最初の利上げの適切な時期を逸したのと同様に、最初の利下げの適切な時期を逸してはならない。
  • 「データ次第」という言葉は非常に便利で最近また多用されている。中銀内の意見の相違を隠すこともできるし、時間と柔軟性を買うこともできる。
  • インフレは最近思いのほか早く沈静化しているが、「データ次第」と主張することで、もっと「インフレ克服」の確信を高めたいという意図が見える。
  • 「データ次第」とすることで、より適切そうに見えるタイミングを選ぶことくらいはできるかもしれないが、金利政策の予見性や効果を高めることにはならない点には注意が必要だ。

<ECBの一般市民向け政策説明サイト>

www.ecb.europa.eu

 

<ECBタカ/ハト度リスト>

https://www.itcmarkets.com/hawk-dove-cheat-sheet-2/

 

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note.com