日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231227 ドイツ銀行の2024年経済見通し


https://www.dbresearch.de/MAIL/RPS_DE-PROD/PROD0000000000531099.pdf?undefined&realload=gpxDjNuqm3/mrg2bF5kv0g8kxpqZ86WayKyDOQuWpAcEZ32EBAAZ1vBvcsdzX9vm

ドイツ銀行の経済見通し(ドイツ語版)が公開されていますので、そのエッセンスを私なりに抽出して以下まとめておきます。

  • 2024年は「幻滅の年」か?
  • 海外経済、金利、財政政策は引き続き強い逆風となる可能性が高い。
  • 不況が長引く中で各種構造問題への不満も高まり、景況感が圧迫される。
  • 違憲判決後難航している2024年予算は何とかまとまるが、債務ブレーキの改革が実現する可能性は低い(緊縮財政が成長押し下げ)。
  • 過去の金利上昇は来年のドイツ実質GDPを最大1%程度、緊縮財政は最大0.5%程度押し下げる(従って着地は▲0.2%と2年連続のマイナス成長)。
  • ドイツのインフレの足元モメンタム(3ヶ月年率換算)はかなり減速してきたが(左)、前年同月比では中銀目標の2%まではなかなか下がりきらない(右)。

  • ECBは「データ次第」「利下げは議論もしていない」と言うが、今後データが下振れするので、来年4月と6月に各▲50bp、通年で計▲150bpの利下げを予想。

  • ドイツのネット対内直接投資(緑線)はトレンド(黒点線)として減少継続。産業立地政策の真価が問われる。


<総括表> 左からGDP/インフレ/経常収支/財政収支

ドイツの2024年はGDP▲0.2%/インフレ2.6%/経常黒字.9%/財政赤字▲1.6%

<ドイツの四半期GDP/前期比の走り> 今年Q4▲0.2%、Q1▲0.1%とマイナスが続く

 

<潜在成長率> 労働投入(橙)激減で当面0.5%割れ

 

<2024年賃金交渉> 進行中の小売、9月の金属・電機業界、年末の公務員がヤマ場

 

<よろしければ併せてご覧ください>

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