ドイツ銀行の経済見通し(ドイツ語版)が公開されていますので、そのエッセンスを私なりに抽出して以下まとめておきます。
- 2024年は「幻滅の年」か?
- 海外経済、金利、財政政策は引き続き強い逆風となる可能性が高い。
- 不況が長引く中で各種構造問題への不満も高まり、景況感が圧迫される。
- 違憲判決後難航している2024年予算は何とかまとまるが、債務ブレーキの改革が実現する可能性は低い(緊縮財政が成長押し下げ)。
- 過去の金利上昇は来年のドイツ実質GDPを最大1%程度、緊縮財政は最大0.5%程度押し下げる(従って着地は▲0.2%と2年連続のマイナス成長)。
- ドイツのインフレの足元モメンタム(3ヶ月年率換算)はかなり減速してきたが(左)、前年同月比では中銀目標の2%まではなかなか下がりきらない(右)。
- ECBは「データ次第」「利下げは議論もしていない」と言うが、今後データが下振れするので、来年4月と6月に各▲50bp、通年で計▲150bpの利下げを予想。
- ドイツのネット対内直接投資(緑線)はトレンド(黒点線)として減少継続。産業立地政策の真価が問われる。
<総括表> 左からGDP/インフレ/経常収支/財政収支
ドイツの2024年はGDP▲0.2%/インフレ2.6%/経常黒字.9%/財政赤字▲1.6%
<ドイツの四半期GDP/前期比の走り> 今年Q4▲0.2%、Q1▲0.1%とマイナスが続く
<潜在成長率> 労働投入(橙)激減で当面0.5%割れ
<2024年賃金交渉> 進行中の小売、9月の金属・電機業界、年末の公務員がヤマ場
<よろしければ併せてご覧ください>