キール世界経済研究所(IfW)は本日、今年のドイツ経済成長率予測を▲0.5%に下方修正(前回6月は▲0.3%を予測)しました(冒頭グラフ)。
今年のGDPデフレータが7.9%に跳ね上がるので、個人消費も鉱工業生産も建設もこれではさすがに抑圧されてしまうという見立てです。
昨冬のガス不足危機は何とか乗り切ったものの、割高なエネルギーコストがボディーブローのように効いてきています。
但し、雇用は堅調、財政は健全、経常収支は大幅黒字であり、一般的な「不況」のイメージからはかけ離れています(マイナス成長はひとえにインフレのせい)。
キール研を含め、▲0.5%の予想は3機関。最も弱気なのはハンデルスブラット経済研究所(HRI)の▲0.7%。11機関の単純平均は▲0.36%となっています。
キール研がイメージしている四半期GDPの軌道は下図の通りで、今期(7~9月期)は前期比▲0.3%、第4四半期は+0.2%となっています。
ちなみにこの▲0.3%予想は、ドイツ経済省のGDPナウキャストの▲0.4%と整合的です。
但し、ドイツ連銀の週次経済活動指数(WAI)は四半期GDPで前期比+0.5%ペースとかなり堅調で、異彩を放っています。
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex