日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240311 ドイツ住宅価格について

先週末、ドイツ連銀から直近データが発表されましたのでご紹介します。

●ドイツには複数の住宅価格データ(四半期ベース)が存在するものの、いずれも2010年から2倍くらいに上昇し、(大都市ほど上昇幅大)概ねピーク時から5%~1割程度下落している。

https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-residential-property-market/system-of-indicators-for-the-german-residential-property-market-795268

 

●ドイツ連銀の分析によると、ドイツ住宅価格はファンダメンタルズ対比で引き続き15~20%過大評価(赤:ローン返済額/収入比率、青:住宅価格/収入比率、緑:住宅価格/賃料比率とも結構高水準)。但し、ドイツ連銀はここ数年ずっとこういい続けている。

 

●アパートの新規契約家賃は、購入から賃貸へのシフト需要を背景に、既存契約分(緑点線)を大きく上回る上昇継続。最近は上昇がむしろ加速気味。

 

●住宅購入用銀行融資は、ECBの大幅利上げを背景として、特に個人(家計)向けが急減速。

 

●住宅価格インデックス(約10年前の2013年初=100とした場合の水準感)の国際比較

ドイツは10年で倍になった後1割程度反落中。

https://www.ft.com/content/088d3368-bb8b-4ff3-9df7-a7680d4d81b2?desktop=true&segmentId=7c8f09b9-9b61-4fbb-9430-9208a9e233c8#myft:notification:daily-email:content

 

欧州全体としてみると、住宅価格は意外と根持ちEU前年同期比▲1.0%/EA同▲2.1% vs ドイツは同▲10.2%)している。

 

●最近の下落がきついドイツ(とルクセンブルク)は2010年以降の上昇が比較的大きかった

 

https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-eurostat-news/w/ddn-20240110-2

 

 

★ドイツの住宅価格はこれまで実質ベース(インフレ差し引き後)で最も大きく上昇してきており。。。。

家賃との対比でもかなり割高になっていたので、その分最近の下落も他国比きつくなっているものと思われます。


<日独経済日記>

www.youtube.com