日独経済日記

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20240204 ドイツ住宅不動産市場、供給不足で早くも価格底打ち

 

 

https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/pekka-sagner-michael-voigtlaender-mieten-steigen-stark-kaufpreise-erholen-sich.html

経営者団体シンクタンクIW(ケルン研)からドイツ住宅市場(価格や家賃の推移)について興味深いレポート(リンク↑)が出ていますので、そのエッセンスをご紹介します。

 

●住宅用不動産価格は、ECBの強烈な利上げ開始以降下落が続いていたが、昨年第4四半期には前期比(青棒)がプラス転換。住宅市場に底打ちの兆候(家賃は住宅需給逼迫を背景にもともと上ずっと昇し続けている)。

(左から順に、賃貸家賃、マンション購入価格、一戸建て購入価格

 青:全四半期比、灰:前年同期比、黒:2022年初比)

 

●2022年第一四半期を100(基準)とした家賃(灰)、マンション購入価格(黒)、一戸建て購入価格(茶)の推移は下図の通り。家賃はコンスタントに上昇/購入価格は1割程度下落後下げ渋り

 

●主要都市の直近1年(Q4対比)の(新規)家賃上昇率~特に大都市圏では、購入価格(+借入金利)が高すぎて、購入より賃貸に需要が寄ってしまい、家賃上昇が顕著となっている。

  1.  ベルリン     :+9.2%
  2.  ライプチヒ    :+7.8%
  3.  ミュンヘン    :+7.3%
  4.  ケルン      :+5.4%
  5.  フランクフルト  :+5.4% 
  6.  デュッセルドルフ :+5.2%
  7.  シュトゥットガルト:+5.1%
  8.  ハンブルク    :+4.7%
  9.  エッセン     :+3.9%
  10.  ドルトムント   :+3.3%

 

●ちなみに、CPIにおける家賃上昇は、既存契約のウェートが圧倒的に大きいため、帰属家賃も含めて2%程度で安定している。

Preis-Kaleidoskop des Statistischen Bundesamtes

 

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