経営者団体系シンクタンクIW(ケルン研)からドイツ住宅市場(価格や家賃の推移)について興味深いレポート(リンク↑)が出ていますので、そのエッセンスをご紹介します。
●住宅用不動産価格は、ECBの強烈な利上げ開始以降下落が続いていたが、昨年第4四半期には前期比(青棒)がプラス転換。住宅市場に底打ちの兆候(家賃は住宅需給逼迫を背景にもともと上ずっと昇し続けている)。
(左から順に、賃貸家賃、マンション購入価格、一戸建て購入価格
青:全四半期比、灰:前年同期比、黒:2022年初比)
●2022年第一四半期を100(基準)とした家賃(灰)、マンション購入価格(黒)、一戸建て購入価格(茶)の推移は下図の通り。家賃はコンスタントに上昇/購入価格は1割程度下落後下げ渋り。
●主要都市の直近1年(Q4対比)の(新規)家賃上昇率~特に大都市圏では、購入価格(+借入金利)が高すぎて、購入より賃貸に需要が寄ってしまい、家賃上昇が顕著となっている。
- ベルリン :+9.2%
- ライプチヒ :+7.8%
- ミュンヘン :+7.3%
- ケルン :+5.4%
- フランクフルト :+5.4%
- デュッセルドルフ :+5.2%
- シュトゥットガルト:+5.1%
- ハンブルク :+4.7%
- エッセン :+3.9%
- ドルトムント :+3.3%
●ちなみに、CPIにおける家賃上昇は、既存契約のウェートが圧倒的に大きいため、帰属家賃も含めて2%程度で安定している。
Preis-Kaleidoskop des Statistischen Bundesamtes