本日ifo研より「(ドイツ)住宅市場の現状について」(上リンク)というレポートが出ていますので、そのエッセンスをグラフ中心にピックアップしておきます。
●ifo担当者クラウス・ウォールラーベ氏:「金利上昇と建設費増加により、多くのプロジェクトがもはや経済的に実行不可能になっている。」
●今後金利がどのように推移するかに住宅市場の命運がかかっている(下図はECB政策金利と住宅ローン金利)。
●建設コスト~物件費・人件費とも上昇しており、下げられない。
●住宅着工許可件数~月20千件ペースに急減。
●新規受注(2015年を100とするインデックス)~下げ止まらない。
●住宅供給業者の景況感~総合(赤)現況(黒)期待(青)とも過去最低。
●主なネック~①受注不足(灰)、②受注キャンセル(紺)、③資金調達(黒)。一時苦労した資材不足(水)は足元ほぼ解消。
●住宅建設業界で一度失われた生産能力は簡単には元に戻らない。中長期的住宅供給能力に支障を来す恐れがある(筆者注:日本でも地方の建設業者が死滅して公共事業に支障を来したことがある。政府は年40万戸を望んでいるが、最近の実際の供給は30万戸以下どまり)。
【別件】ヘッセン州立銀行(HELABA)の分析データによると、不動産価格という面では住宅(下図青線)はまだかなりマシなほうで、オフィス(紺)や小売店舗(灰)の価格低下はかなり厳しいものとなっている。
住宅は供給不足のため(賃貸用の)家賃が非常に強い上昇を続けているのに対し、オフィス家賃にはコロナ+在宅勤務増加でブレーキがかかり、小売店舗家賃はネット販売の増加と共にコロナ前から低下し始めている。
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