毎月下旬に上図のような景気先行指標「ifo景況指数」が発表され、市場から注目を集めているのですが、そのブレークダウンは「ifo Konjunkturperspektive」という冊子で発表されています。
本稿ではその中から興味深い部分をピックアップしてご紹介します。
●全体としては冒頭図のような回復基調にありますが、建設(左)と小売(右)は、インフレ(と建設は金利上昇)によりマイナス圏で低迷しています。
<赤:総合、灰:現況、青:期待>
●製造業は、昨年大きく落ち込んだ期待指数(青)がゼロまで回復。
内訳をみると、最近受注指数(下図左)が弱い(実際3月分統計で顕在化)ものの、高水準の受注残に支えられて、現況指数(≒生産、上図灰)や生産計画(下図右)はしっかりしており、設備稼働率も85%近傍で安定的に推移しています。
従って、3月鉱工業生産が前月比▲3.4%と異常に弱かったものの、4月以降は相応に反発し、均してみると生産はそれほど落ち込んでいないという絵になるものと思われます。
主力の自動車(左)と機械(右)は悪くありませんが
紙(左)と木材製品(右)はかなり厳しい状況になっているようです。
●流通面では、食品小売(左)と農産品卸売(右)が厳しくなっています。
●サービスは全般に好調ですが、運輸(左)と倉庫(右)がやや厳しめです。