日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240323 週末のBloombergより

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◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。
◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。
GDPとインフレ予想が上方修正、失業率が下方修正されているが、足元の金利水準がかなり引き締め的であることが確実な中、インフレが遅行指標であること、金融政策が効き始めるのに1〜2年はかかること、さらには大統領選挙年であることを考えると早めに利下げに動くことは十分に正当化されうる。
◆株は上昇トレンドの中でしっかり、金利は相応に魅力的(実質金利が2%確保できる)、かつ両方ともそれほどボラが大きくないという状況は、投資環境としてはかなり良好で恵まれていると言える。
◆5%超で回るCASHを大量に保有して様子見を続けている投資家が多い中、年後半に向けては相応の景気減速が確認できる可能性が高いので、債券デュレーションはやや長めを推奨。
◆起債市場は引き続き活発だが、スプレッドに魅力乏しく、そろそろクレジットはアンダーウェートに転じた方が良いかもしれない。デュレーションを取る際には社債ではなく国債を使うべき局面。
地政学系の予想外の事象が売りを誘うことはあっても、CASHのクッションがかなり分厚いことから、株も債券も下落リスクがかなり限定的になっているように見える。

 

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◆(サマーズ氏①)FEDの経済予測には利下げを急ぐ理由が見当たらないだけでなく、成長率/インフレ/失業率/金利の組み合わせにやや無理があるので、今後ネガティブサプライズが起こりやすい。
◆(サマーズ氏②)巨額の財政出動、AIや環境への積極投資、膨大な資産効果、経済の走りの予想以上の強さなどを考えると、中立金利は2%台というよりは4%台である可能性が高い。
◆(サマーズ氏③)グローバル化の後退/関税障壁の増加、移民抑制はいずれもインフレ押し上げ要因(トランプ再選だとそのリスクは一層高まる)。
◆(サマーズ氏④)Tiktokでの中国の情報操作リスクは、同盟国日本(日本製鉄)によるUSスチール(米国内鉄鋼生産シェア15%以下)買収より遥かに甚大で、同じ土俵で議論しているのはそもそもおかしい。
◆コロナ後のバブルが弾けてテック銘柄のIPOが激減しているが、AI関連や情報セキュリティ関連を中心に、今年は20件超、来年は40〜50件が期待できる。
◆米株投資家は株価のバリュエーションではなく、チャートや値動きモメンタムを注視している。いずれどこかでストレッチしたバリュエーションが気になる局面が来るはずだが、今の所その気配はない。
◆今後の規制動向を見極める上では上院でどちらが勝つかが重要だが、税制については2025/26年(やや先)のイシューであり、当面は株式投資家の関心事になりにくい。
◆EV販売は年+50%ペースから+20%ペース(シェアで1割程度)に急減速しているが、テスラ以外の米大手メーカーがテクノロジー面でEV化の流れにしっかりついていくことが重要。
◆EVの組み立てで必要とされる人手は激減するかもしれないが、バッテリーや蓄電技術関連で雇用が大幅に増えるはずであり、その移行を米国内でうまく進めることが重要。
◆バイデンもトランプも対中強硬路線では一見大差ないように見えるが、トランプは同盟諸国への配慮がなく、ターゲットの絞り込みなき一律関税適用という面でバイデンと大きく異なる。
◆移民対応でも最近は両者同じように見えるが、米国経済成長の原動力の一つになっている合法移民までトランプは強く制限しようとしており、これは米経済にとって非常に危険。
◆バイデンとトランプの政策の最大の違い目は税制。トランプの減税はバイデンの税制比5兆ドル規模。

 


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