日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20241102 週末のBloombergより

https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

 

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◆雇用統計は+12千人(&過去分下方修正)と弱かったが、景気全体としては堅調。中立金利が4%よりは下だということで年内2回の利下げはスムーズだろうが、その後はぺースダウンしうる。
◆ハリケーンの影響で今回の雇用統計の企業解答率が47.4%と異常に低かった点には注意が必要。今後大幅リバイスがありうる。
◆市場が予想するターミナル金利はまだ3.5%くらいにあり、1年までの金利は雇用統計でやや下がっているが、それ以降のゾーンはベアスティープが進んでいる。
◆来週火曜はいよいよ大統領選であり、長期金利の方はRED SWEEP(共和全勝)を恐れる上昇が続いている。
◆仮にそのSWEEPが実現したとしても、実際に減税で財政が悪化したり、関税によるインフレが出るまでには相当な時間がかかるはずだが、利払い負担の急増は顕在化してきており、債券自警団が売りで反応する。国債入札も不調に陥りやすい。
◆市場はトランプ勝利(+SWEEP)を恐れているが、フルに織り込めているわけではない。実現した場合10年金利は50bp程度追加で上昇か。しかし一旦試している5%はそう簡単には超えないだろう(現在4.36%)。
◆Higher for longer の再来は、株やEMなどリスク資産のバリュエーションを切り下げる。ドル高や金融環境の劇的タイト化にも目配りが必要。
◆もしハリスなら相応の金利反落が期待できる。10年金利の目処は4%あたりか。
◆製造業のデータは弱いが、全体として景気は強く企業業績も悪くない上、SWEEPなら減税や規制緩和が期待できるので、多少の金利上昇後でもクレジットスプレッドはタイトなまま。投資資金はまだまだ市場に潤沢に残っている感触。
◆来週は5日の大統領選(結果がすぐ判明する保証はない)、7日のFOMCに注目。

 

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◆バイデン時代の米経済は決して悪くなかったが、インフレの残像と煩雑な規制で今一つな印象になっている。
◆不公平な貿易相手国を懲らしめるためのピンポイントの関税なら良いが、トランプ関税は、インフレで低所得層を直撃するだけでなく、相手国からの対抗関税で米景気が悪化するので、ダブルの逆風となる。
◆ハリスなら継続性・安定性が期待できるが、トランプだと貿易の大前提である地政学上の枠組みを根本的に揺るがしそうな上、関税や財政で高まるインフレ圧力に対処しようとする中銀を抑え込もうとするので、ダブルで不透明感が高まる。
◆どちらが大統領になっても、国内が分断されている中でロシア、中国、イラン、北朝鮮などにどう対処するかという非常に厄介な課題に直面する。
◆米国にとって当面の最重要課題(inbox)は、①中国の台湾侵攻を思いとどまらせること、②ウクライナと中東で和平を実現すること、になる。
◆こういった難度の高い課題に対応していく上では、西側のパートナー諸国と緊密に協力・連携しつつ、米国内の有能な人材を正しくフル活用することが大切。
◆米国の軍事予算はGDPの3.5%で、世界トップの米国に続く9カ国の合計より大きな金額を費やしているが、世界が現在抱えている問題を解決するためには、質的にも量的にも十分ではない。
ペンタゴンは規模が大きくなりすぎて、調達が非効率になってしまっている。調達先も淘汰が進んで激減し、価格競争やイノベーションの活力が阻害されている。
◆現代の戦闘においてはAIを活用したドローンなど無人兵器の役割が急上昇しており、より多くの対ドローンシステムや弾薬を必要としている。
◆新しい戦い方にフィットした最新の兵器を調達しようとすると、どうしても量産前かつ性能面では極力妥協しないものが欲しいということで、高くついてしまう。
◆デジタル・ハイテク技術をフル活用した組織的犯罪(サイバー攻撃、人身売買、マネロンなど)は世界で3兆ドルもの規模に達している。
◆この種の犯罪への対応には、被害者接点となる公的部門と、加害者の足跡を最初に見つけられる民間部門の緊密な連携が重要。何らかの電子的足跡が残るので、技術面と法制面が整えばうまく対応できる可能性がある。
◆犯人はAIを活用してディープフェイクを使った巧妙な手数を増やしているが、操作側もAIを活用して飛躍的に発見・追跡・訴追能力を高めている。
◆ブロードウェイは年間12.3百万人の観客を集め、15億ドルを売上げるビジネス。しかしコロナ前の18億ドルには復元できていない。
◆インフレなどのため、コストはコロナ前の3倍になっており、利益が出る興行は2割程度。
◆しかし、ブロードウェイのミュージカルの価値は、興行上の財政的利益だけではない。観客に感動や希望を与え、芸術として素晴らしいものを残せるかどうかの方がずっと重要。

 

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