https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html
◆小売やGDP NOWなどの強い経済指標だけでなく、米大統領選後のインフレ圧力(特にもしトラにおける財政悪化、関税、金融政策への介入など)が意識され、ボラ上昇を伴いながら金利上昇。
◆9月の▲50bpからギアダウンした▲25bpのFOMC利下げが11月9割、12月は8割の織り込みまで後退。ターミナル金利は3.4%あたりにまで上昇。
◆もし共和党が大統領と上下院をsweepすれば、金利上昇はこんなものでは済まないという恐怖感がある。財政プレミアムの悪化具合を監視するためにはSWAPスプレッドをよく見ておくべき。
◆FEDがどんどん利下げしていくという環境ではなくなってきているので、無理にデュレーションリスクを取らず、まだしばらくは十分な高利回りが享受できそうな短期資金運用の方が無難と考える投資家が増えている。
◆但し、ボラのリスクがある程度取れる体力がある投資家にとっては、現在の魅力的実質金利をロックインすることを検討する価値はあるかもしれない。
◆今週は大手米銀の大型起債相次ぐ(JPM 8Bil, MS 5.75Bil, GS 5.5Bilなど)。投資家の需要は旺盛。
◆IG社債のスプレッドは99bpと26年来の低水準を記録。ソフトランディング(業績堅調)、高い金利水準を背景とする根強い投資家需要が追い風。
◆来年以降のmaturity wallを控えて今後起債は増えそうだが、足元は決算発表のblackoutやもっと金利が下がるのを待ちたいという発行体の思惑のせいで足元のサプライは細り気味。本格的増加は米大統領選以降か。
◆クレカの延滞率は上昇を続けているし、プールやボートのような贅沢品は売れなくなっているものの、個人消費全体としては驚くほどの強さを維持している。金融環境全体としての緩和(株高など)のおかげか。
◆デフォルトリスクが限定的なシングルBゾーンのバンクローン(変動金利)でしばらくキャリーを稼ぐのが得策か。
◆世銀(World Bank)は第二次世界大戦後の戦後復興のために設立され、日欧も大変お世話になった。
◆現在は特にアフリカを中心とする最貧国に成長の機会を与えるべく、インフラ、通信、エネルギー、医療、教育など幅広い分野における改善のための支援を提供している。
◆巨大なニーズに対して世銀のキャパが小さいので、為替リスクのヘッジツールを提供することなどを通じて民間資金の呼び込みに注力している。但し、民間資金は先進国でのAIや発電プロジェクトに向かいがち。
◆途上国で「今すぐやらなければ」という危機感が共有されにくい上、腐敗などによる公的部門の非効率が深刻で、思ったように進まないことが多い。しかし最近はSNSの普及のおかげで腐敗も減りつつある。
◆アフリカでの太陽光発電を中心とする再エネの普及(地域発電+ミニグリッド+蓄電池)が現在着実に進められている。
◆米国が他の先進国に比べて力強い成長を維持できているのは移民の労働力化に成功しているため。日欧では労働投入の減少が潜在成長率を大きく押し下げている。
◆米国の求人数は求職者数を大きく上回っており、すべての州、職種で人手不足が深刻。特にノースダコタ州で深刻。
◆米国の人口動態も、10年後には少子高齢化で大きく悪化し始める。合法移民の積極活用は米国経済にとって死活問題。トランプ2.0が移民を排斥すれば米国経済には凄まじいブレーキがかかる。
◆膨大な電力を必要とするAI・データセンターのニーズ拡大のため、原子力発電に対するコスト・ベネフィットバランスが大きくシフトしている。今や米国民の過半数が原子力発電を支持している。
◆ドイツは原子力発電からの完全撤退を実現したが、原子力発電最大のリスクは「活用しないこと」になりつつある。隣国のフランスはフル活用に邁進している。
◆悪名高いスリーマイルの原発もマイクロソフトが安定電源として再利用しようとしている。このディールは米国における安定電源不足を象徴している。
◆エネルギー需要(米では75%が産業用+交通部門)が確実に増加する(AI検索は普通の検索の10倍の電力を消費するなど)状況下で脱炭素を追求するなら、原子力活用は絶対に避けて通れない。
◆小さくて安全なSMR(小型モジュール炉)はその際重要な役割を果たす。信頼できる安定電源として再エネ推進におけるゲーム・チェンジャーになりうる。
◆ガーナは原発抜きでの脱炭素は不可能と考え、近隣諸国への電力供給も視野に入れつつ原発導入に邁進している。不安定な太陽光だけでは貧困から脱却するのに十分な安定電源が確保できないと考えている。
◆最大のネックは資金調達。民間資金は10年以内で回収しようとするが、より長期の資金が必要。
◆アフリカとしては、化石燃料が普及する前に一足飛びに再エネにシフトすることが重要。