日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240812 パリ五輪についてのドイツメディアの報道ぶり

今回のパリ五輪についてはいろいろな角度からさまざまな報道がされており、(ドイツの平均値/総意として)まとめるのはほぼ不可能ながら、筆者が目にした/耳にした報道内容をざっくりまとめると以下の通り:

  • 今回はコロナ制約がない正常化後最初の大会となったが、パリは開催地として素晴らしい成果を挙げ、賛辞と称賛を集めた。
  • (一部に賛否両論はあったが)誰にも二度と真似できない非常にユニークな開会式は特に印象的だった。
  • 開催前はテロや猛暑対策など安全面が心配されたが、結果的には特段問題は起こらなかった。
  • もし2040年にドイツが五輪開催を目指すなら(賛否両論あり)、今回のパリ五輪から多くのこと(会場/人流の分散、警備体制など)を学んで活かすべきだ。
  • 問題点を上げるとすれば、セーヌ川の汚染、(特に女子ボクシングでの)ジェンダー問題、ロシア選手の除外、ウクライナ選手(良心的兵役拒否者)への非難、ややおもてなしを欠いた選手村くらいか。
  • 8月28日から始まるパラリンピックに対しても、フランスは再び全力を尽くしてくれるだろうし、パラアスリートたちも同じように頑張ってくれるはずなので大いに期待したい。
  • ドイツ公共放送は現地の状況を幅広くライブ中継し(3年がかりの大プロジェクト/準備だった模様)、ドイツ国民は選手たちのパフォーマンスに対して概ねポジティブな印象を持った(データ下添)。
  • メダル獲得数という意味では期待外れの結果となった。金12/銀13/銅8での世界10位は、東西統一以来最低の成績。最低限の目標(世界トップ10内)を辛うじてクリアしただけに過ぎない。
  • 特に、フェンシング、ヨット、射撃、水泳、レスリングが不振だった。
  • 来年2期目の任期満了で退任する国際オリンピック委員会トーマス・バッハ会長は、オリンピックの商業的成功と、IOCを超国家的に国連と結びつけることで成果を挙げてきた。長期政権を辞退したことは評価出来る。
  • しかし、プーチンとの長年にわたる親しい関係/ロシアのドーピングスキャンダルに対する甘い対応は、大きな汚点を残した。

    ja.wikipedia.org

【データ】(まだサンプル数が1000以下で、十分とは言えないものの)今回のドイツ選手たちのパリ五輪での活躍についてのドイツ市民の評価は、概ねポジティブ(大変素晴らしい:19.4%/どちらかというと良かった:28.8%)。但し、メダル数がかなり少なかったこともあり、「どちらともいえない」が29.2%で最多。



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