日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240907 週末のBloombergより(FEDの利下げ軌道についてなど)

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◆気持ち弱めだが景気後退を示したわけでもない米雇用統計で、9月18日の利下げは▲25bpが優勢(7割)に。
◆一方、逆イールド解消やタカ派のウォラー理事のハト的発言もあってFEDが Behind the curve なのかもという懸念はかえって高まり、年内は▲110bp超、2025年には2.8%(市場は3%強の中立金利を見ており、これはやや低め)までの利下げが織り込まれている
◆データ面でリセッション入りの確率が特に高まったわけでもないが株式市場の地合いは悪く、機関投資家の売りによる大きな出来高を伴って、レーバーデー以降大幅下落。
◆逆イールドのしっかりとした解消は今後もスティープニングが続きそうなことを示唆。債券市場は大きな利下げを期待/強気に傾きすぎている感じもするが、連続利下げが始まるところなのでそう簡単には売り込めない。
◆企業の資金調達意欲は旺盛。金利が低下すれば「今のうちに」と積極的に社債を発行してくる。
社債投資家としては、リセッションや業績悪化が目の前に迫っているわけではないので、スプレッド拡大を恐れる必要はなく、金利の方向性(DUR)で勝負していく局面。
◆逆にいうと景気の想定以上の減速は社債投資家にとって最大のリスク。特に雇用や消費の悪化モメンタムをしっかり見極めていく必要あり。
債券市場全体にとっては、利下げの織り込みすぎの反動が最大のリスクか。
◆来週は月曜のアップル、火曜の米大統領選TV討論、水曜の米CPI、木曜のECBに注目。

 

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◆米雇用統計はそんなに弱いわけではなかったが、トレンドは明確に下向きであり、今後の利下げ軌道で▲25bpと▲50bpのどちらが正しい選択肢なのかの判断は微妙であり続けそう。
日本製鐵のUSスティール買収阻止は、経済合理性面でも安全保障面でも明らかな間違い(米識者は皆わかっている)。選挙戦の中で変に政治マター化すべきでない。
規制緩和断行はいつでも正しくありうるが、イーロン・マスクにやらせても利益相反になるだけ。
ソブリンウェルズファンドはノルウェーなどの資源国・経常黒字国には意味があるが、米国のように経常・財政赤字国にはかえって逆効果になる。
含み益への課税は実務的に導入不可能なので最初から議論不要
◆どちらの大統領候補が勝つにせよ、財政と安全保障の絶妙なバランスが要求される難しい局面
インテルはかつてマイクロソフトとの二人三脚でPCを中心に半導体で無双していたし、最近は米CHIPS法で支援もされているが、設計ではARM、製造ではTSMCやサムソンに劣後し、大変な苦境に陥っている。経営陣を含む社内のカルチャー(業界のリーダー気質)を根本的に正す必要があるが、容易ではない。
◆米商業用不動産業界は「Higer for longer」局面でバリュエーション面とファイナンス面でスクイーズされた。銀行は金融監督当局の指導もありリファイナンスを断ったが、その穴をPEなどのノンバンクが埋めてきた。
◆Back to officeが進んでいるニューヨークやマイアミのオフィスは比較的良いが、他はまだまだ厳しい。
◆昔は弁護士業界が公益(public interest)を強く意識することが求められたが、近年はそれがテクノロジー業界に求められている。

 

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