日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231219 独Focus/英Economist誌「2024年の世界」のエッセンス

https://pdf.focus.de/Die-Welt-in-2024/Die-Welt-in-2024-01-2023

 

毎年この時期になると、このシリーズをしっかり読んだ上で、来る年に備えることにしているのですが、今回号の中から来年のドイツにとって私なりに最も重要と思った5つのポイントを以下ご紹介します。

 

来年ドイツで最も注目を集めそうな人物極左ポピュリズム新党BSWを立ち上げたこちらのヴーゲンクネヒト氏。国内的には極左かつ反難民/反EU/親ロシアで、来年のドイツ政局の台風の目になりそうです。

<ヴァーゲンクネヒト新党関連投稿>

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②来年9月の東独3州州議会選~9/1にザクセン、チューリンゲン州、9/22にブランデンブルク州での州議会選が予定されていますが、現時点での世論調査では3州ともAfD(極右)が第1党を獲得する勢いを維持しています。民主主義の真価が問われる局面ということで、注目を集めています。

<本件関連投稿>

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③トランプ再選リスク~人望が厚く影響力絶大だったあのメルケル前首相ですら対応に苦慮したトランプ氏の再登板をドイツは他のどの国よりも恐れているように見えます。ウクライナ支援は欧州で勝手にやってくれ、気候変動対策にはもう協力しない、中国とあまり仲良くするな、となるとドイツはたちまちほかのどの国より厳しい三重苦に陥ります。


<本件関連投稿>

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④ショルツ政権に対する不満~発足当初の期待は非常に大きかった(時代の転換点とまで言われていた)のに、今や連立3党合計の支持率は1/3程度にまで低下しています。日本と違って首相が下院を解散して総選挙に打って出られるわけではない(下院での不信任成立と大統領の了解が必要な)ので、選挙は予定通り2025年9月となる見込みですが、この政権がいつまでもつのか、という議論がくすぶり続けています。

 

⑤ドイツが開催国となる欧州選手権(6月~)~本来強豪国かつホストなので、ベスト4は義務とされているものの、これまでの親善試合では(対日本戦も含めて)あまりにも不甲斐ない戦い(大事なところでの失点が多すぎる状態)が続いているため、予選突破すら危ぶむ声もあります(FIFAランキング16位のドイツは、18位のスイス、27位のハンガリー、36位のスコットランドと同組)。

<ナーゲルスマン新監督もまだチームの立て直しの感触をつかめていません>

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●なお、巻末の国毎データ/コメントは以下の通りとなっています。

 ドイツ:来年+0.9%成長/インフレ+2.4%~連立政権運営と極右台頭に注目

 日本:来年+1.1%成長/インフレ+1.5%~解散総選挙と対中関係に注目




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