日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221010 ニーダーザクセン州議会選挙結果分析

昨日(10月9日)実施されたニーダーザクセン州議会選挙では、地元で高い人気を誇るヴァイル州首相(SPD)が、現職ボーナスを活かしてSPDの第1党の座を防衛し、赤緑政権下での州首相就任(3期目)を確実にしました。

 

  • SPD(赤、中道左派:第1党の座、州首相ポストの防衛に成功。ヴァイル州首相の個人的人気によるところ大ながらも、最近不人気に苦しんでいたショルツ首相にとっては朗報。求心力復元に活かしたいところ。
  • CDU(黒、中道左派SPDの後塵を拝し、連立政権から脱落見込み。頼りになる与党第1党として全独で支持率トップである CDUにとっては痛手。
  • Green(緑、環境重視):最近のバーベック経済相の不人気の影響もあり、事前に期待されたほどの支持率には達しなかったものの、赤緑政権樹立のために十分な議席を確保。
  • AfD(青、極右):主要政党に対する不満票を集めて健闘。大躍進というほどではないが、欧州全体での極右勢力台頭トレンドを証明した格好。
  • FDP(黄、自由経済重視):5%条項クリアできず議席喪失。党勢立て直しのため、連邦政府内で債務ブレーキや原発再稼働に固執する可能性高まる。ショルツ首相にとっては、信号機連立維持のための苦労が増えそう。
  • Linke(紫、極左;今回も5%条項クリアできず議席なし。

 

 

SPD(赤)+Green(緑)で十分な過半数(81/146議席=55%)が確保されたため、現在の大連立(SPD +CDU)に代わって赤緑政権が誕生する見込みです。
同州ではより環境重視の政策にシフトするものと思われます。

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