米大統領選はまだ1年先(かつ実際の就任は2025年1月から)なので、具体的に深い議論が始まっているわけではありませんが、欧州、特にドイツが恐れているトランプ大統領再選の可能性について、最近ドイツのメディアで見受けられる論調を以下簡単に整理しておきます。
- 現時点でトランプ氏は共和党内の指名獲得はほぼ確実で、バイデン大統領との一騎打ちでもやや優勢とされている(下添世論調査、オッズご参照)。
- 数多くの裁判(特に選挙妨害の件は本来政治的にも深刻)を抱え、有罪判決が出る可能性があるにもかかわらず、大統領就任が妨げられないというのは、常軌を逸している。
- 昨今の地政学的に極めて不安定な情勢下でのトランプ大統領再登場は、米国内の分断を更に深刻化させるだけでなく、世界の多くの国にとって新たな頭痛のタネになる。
- トランプが大統領になれば、米国内での人気取りのために、西側諸国の分断を厭わない「ディール」に奔走し、米欧の蜜月関係は完全に終了するだろう。
- 最大の脅威は米国によるウクライナ支援停止とNATO脱退。ウクライナ問題は欧州が自分で解決せよ、と突き放される可能性が極めて高い。
- 欧州/ドイツとしては、今のうちに共和党内の親欧州勢力としっかりした関係を構築しておく必要がある。
- 西側諸国全体としては、トランプ氏の軽はずみで大衆迎合的な発言に翻弄されることなく、結束を維持し続けなければならない。
- トランプ政権誕生で、ドイツがポジティブに期待できることは何一つない。実際前政権下で米独関係は顕著に悪化した。特に軍事/地政学関連問題と通商問題で大いに揉めたことは記憶に新しい。
●直近(11/14時点)ではトランプやや優勢とされています。 https://en.wikipedia.org/wiki/Nationwide_opinion_polling_for_the_2024_United_States_presidential_election
●UKブックメーカーでお金をかけた真剣勝負でも、トランプ氏が一番人気となっています。
https://www.oddschecker.com/politics/us-politics
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