日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230411 マクロンの対中/台スタンスに関するドイツメディアの報道ぶり

 

今回の訪中にあたってマクロン仏大統領が、緊張が高まっている台湾情勢について、欧州は米国の戦略に追従すべきでない/米中対立に巻き込まれる事態は回避すべき、という考え方を示したことに対するドイツメディアでの報道ぶりは以下の通り強く批判しています。

 

  • マクロンEU の戦略を大きく傷つけてしまった。あまりにも率直に、米国によって紛争に「引きずり込まれる」べきではない/ヨーロッパの台湾支援には自ずと限界があると言ってしまった。結果的にEUを分断し、ブリュッセルとワシントンの間にくさびを打ち込み、中国が台湾を攻撃する可能性を高めてしまった。
  • ヨーロッパの過度の対米依存が問題であることは確かだが、こんなにもわずかな言葉でヨーロッパと米国との間にくさびを打ち込み、ヨーロッパ全体に亀裂を広げることは難しい。
  • 少なくともトランプの登場以来、ヨーロッパが米国を常に頼りにできるわけではないことは分かっていた。ヨーロッパが戦略的自立のためにもっと努力しなければならないというマクロンの分析自体は、決して間違っているわけではない。しかしウクライナ戦争で米国のリーダーシップがなかったら大変なことになっていたはずだ。
  • 独裁者に対しては、志を同じくする国々が地域や既存の枠組を超えて、一致団結して対抗する必要がある。バイデンはウクライナ戦争でそれを主導・実践した
  • マクロンが現在、この西側同盟内に疑いの種をまき、米国を裏で刺しているという事実は、西側および自由と平和に対する深刻な政治的打撃である。習近平プーチンはさぞかし大喜びしていることだろう。
  • 中国指導部としては、さっき最上級の歓待をしたばかりの男が、早速米国から距離を取り始めている、いうことで笑いが止まらない。

 

<本件関連> 

dateno.hatenablog.com

 

<日本語ニュース例>

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