日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230407 マクロン訪中に関するドイツメディアの報道ぶり

 

今回のマクロン仏大統領訪中についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。

 

  • マクロン大統領は、3日間にわたる訪中の冒頭で、中国は重要な貿易相手国であり、政治的対立はあっても、中国から距離を置くべきではないと強調した。
  • マクロン50人以上のビジネス代表団を引き連れており、実際に多数の大型契約を獲得した。
  • 欧州は中国を恐れ、中国を必要とするが、中国を信頼していない。欧州は中国のとのビジネスを続けつつも代替ルートを探している。
  • 貿易大国かつ足元厳しい経済状況にある中国にとっても、4.5億人の人口を抱えるEU統合市場への継続的なアクセスは非常に重要。
  • 今回の訪中の本来のメインテーマはウクライナ戦争であり、マクロンとしては習近平がロシアに対して影響力を行使し、少しでも和平実現にむけて前進させたいところ。
  • 核兵器化学兵器の使用を許さない、民間人を攻撃すべきでない、という点では欧中間で意見が一致(再確認)。一方、中国からロシアへの武器提供に対しては強く警告した。
  • フォン・デア・ライエンEU委員長は、ほんの数日前に中国に対して非常に厳しい内容の基調講演を行ったばかり。経済重視の(甘い)マクロンと同行することによりバランスをとった格好 (Good Cop, Gad Cop 戦略)。
  • 中国のネットユーザーは、フォン・デア・ライエンを「年老いた魔女」とか「アメリカの雌犬」と呼んで忌み嫌っている。
  • 中国としては欧州と米国の間に何とかしてくさびを打ち込みたいので、欧州からの多少の苦言には我慢をして、関係強化を図ろうとしている模様。
  • 中国のネットユーザーは、フォン・デア・ライエンを「年老いた魔女」とか「アメリカの雌犬」と呼んで忌み嫌っている。
  • 欧州としては、北京とモスクワの間にくさびを打ち込むことができるはずだし、打ち込まなければならない。
  • 戦後米国主導で構築された既存秩序を中国は破壊しようとしているため、米国は中国をライバルとしてしか見ていない。それ自体は理解できるものの、欧州が米国と同じスタンスである必要はない。新たな状況下でバランスの取れた自らの居場所を探すべきである。

 

<日本語ニュースでの報道例>

www.nikkei.com

 

www.msn.com

 

jp.reuters.com