本日より日本で開催されているG7首脳会議についての現時点でのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 被爆地であり岸田首相の出身地でもある広島でのサミットで、核兵器問題にフォーカスするのは正しい選択。
- 核兵器の使用によって引き起こされた想像を絶する苦しみを直視し、核なき世界という最終目標に少しでも近づくため、ロシアだけでなくG7諸国やその同盟国もコミットする、一段と踏み込んだ核廃絶方針を打ち出すべき。
- ドイツ首相としては、昨年ドイツが議長国として始めたグローバル・サウス取り込みの努力を日本が継続していることを誇らしく思っている(G20議長国インドネシア、ブラジル、インドなどがパートナー国として参加)。
- インドやブラジルでは、ウクライナ戦争でロシアを非難する声はほとんど聞かれないが、たとえ立場や意見が違っても、粘り強く対話を続けることは重要。
- 現地で非公開で行われる首脳間の対話は非常に価値がある。マクロン仏大統領の最近の北京訪問で西側諸国の間にひびが入ったが、ショルツ首相としてはその修復にも努めるべき。
- G7では対ロシア制裁強化や中国問題も議論される。
- 中国といたずらに敵対するのではなく、中国が国際社会の中で責任ある行動をとるよう促し続ける必要がある。
- 米国は厳しい反中国路線をとっており、G7の中で仲間を探している。ドイツは米中間の狭間で苦しい立場に追い込まれるかもしれない。
- 今回の開催国である日本は、尖閣問題緊迫化後のレアアース禁輸をきっかけに、戦略的に重要な経済分野での中国依存度引き下げを着実に進めてきた。
- 中国と隣接し、数多くの中国とのトラブルを解決してきた日本には貴重な経験が蓄積されている。日本から学べることは学ぶべき。
- ウクライナ戦争を利用して、中国は中国主導の反西洋ブロック構築を加速している。多くのグローバル・サウス諸国に、ウクライナ侵攻は過去の西洋の植民地支配と同じに見えている。
- G7は世界のGDPの4割しか占めておらず、もはや世界のルールを決められるような立場にない。G7は自己満足の議論に終始すべきでない。
- 米国が凶悪な戦争犯罪を犯した広島に、「核ボタン」入りのスーツケースを持った補佐官を随行しているバイデンの姿はいかにも滑稽に見える。
<日本語報道/タイムラインなど>
厳島神社での集合写真