日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230224 ウクライナ戦争1周年におけるドイツ/欧州メディアの論調

ここ数日いろいろと目にしている議論の中で、興味深かったものを私なりにピックアップして以下整理しておきます。

  • ロシアがもくろんでいたごく短期間での勝利/非ナチ化が(当初予想に反して)実現しなかったことは不幸中の幸い。ウクライナの粘り強さには感謝すべき。
  • しかし、戦闘や戦争犯罪で失われた命や財産は今後何をしても二度と戻ってこない(大変悲しいことであり、憤りしかない)。
  • 和平交渉は、ロシア軍が今よりずっと追い込まれた状況でしか始まり得ない。
  • 武力によって国境が修正される前例を絶対に許してはならない。
  • ウクライナ、ロシア双方とも2022年2月24日以前の状態で妥協するつもりがない。
  • ウクライナがクリミア奪回に拘れば、ロシアの核兵器使用リスクが高まる。
  • 旧東独地域の人々は、プーチンの暴発リスクを高めかねないこれ以上の武器提供に反対。
  • 中国独自の和平提案は、①中国はそもそも前日の国連決議に賛成していない、②明らかにロシア寄り(ロシアとだけ事前調整済)、③将来の台湾進攻を正当化しようとしているのが見え見え、なのでお話にならない(単なるポーズ)。評価できるのは核不使用の呼びかけくらい(これとて新味はない)。
  • 西側の価値観否定戦略を中国とロシアは共有しており、両国は民主主義/平和主義への脅威の両輪であり続ける。
  • 中国からロシアへのドローン供給など確認されれば制裁対象になりうる。
  • プーチンは西側の分断に失敗し、むしろ結束を高めた。
  • しかしインドや南アなどの支持をいまだに取り付けられないことは非常に残念。
  • 国連の立て直し(拒否権見直しなど)が急務。
  • 西側諸国は歴史の正しい側に立つまでウクライナ支援を続けるしかない。
  • 安全保障の問題は、当面気候変動や貿易よりもはるかに重視せざるを得ない。
  • 地政学リスク重視の環境下で、EU内でのポーランドの重要性が高まった