日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230224 コロナ以降大きく縮むドイツ製造業

 

 

今朝ドイツ連邦統計局から2022年GDP統計詳細の発表があり、

  • 2022年Q4が前期比▲0.2%⇒▲0.4%に下方修正。
  • 但し通年は+1.9%で不変。
  • コロナ前の2019年Q4と比べるとかろうじて同じ水準(107.5)。
  • 今年Q1もマイナスになりそうなので、テクニカルリセッションが迫っている。

といった感じのヘッドラインになっていました。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_070_811.html

 

 

業種毎の詳細データが出たので早速分析してみたところ、ドイツの製造業のシェアが付加価値(GDP)でも社員数でも大きく縮んでいることが判りました。コロナ、サプライチェーン障害、エネルギー・資源価格高騰、経済制裁などによって足を引張られたものと推察されます。

 

①創出付加価値シェア~製造業(除く建設)は23%を占めています。

 

コロナ前の2019年と比較すると、製造、不動産、金融保険でシェア低下、建設、商業、農林水産でシェアが上昇しています。製造業の付加価値はこの間387億EUR(+5%)増えていますが、GDP全体の伸び(+12%)に見劣りしているということです。

 

②雇用シェア~製造業は18%の人員で23%の付加価値を生んでいるので、生産性が高いと言えます。一方、商業や公共サービスはかなり労働集約的であることが判ります。

 

コロナ前の2019年と比較すると、製造(▲26万人)、商業でシェア低下、公共サービス/教育/医療で顕著にシェアが上昇しています。

 


<今後の独GDP関連データ発表スケジュール>

どのくらいマイナスになるか注目されている今年Q1の速報発表は4/28(詳細内訳は5/25)です。