ロシアのウクライナ侵攻以降、ドイツ各地で大規模な反戦/反プーチンデモが連日展開されています。これまでの主流は反コロナ(ワクチン義務化)デモでしたので、流れが大きく変わった感じです。
以下の写真は昨日(3/5)デュッセルドルフ市内で行われたもので、5000人規模とされています。
ロシア国内ではSNS等がブロックされ、西側報道機関の活動も事実上禁止されてしまったので、こういった様子はロシア国民に届きにくくなったかもしれませんが、今後経済制裁による生活苦/ハイパーインフレに加えてロシア兵の無言の帰国が増えてくると、プーチン政権をじわじわ圧迫することは間違いないと思われます。
もはやプーチンも時代もついこの間までのものとは全く別物であり、今後数週間の間に何が起こってもおかしくないとドイツでも認識されています。
どんなことがあってもとにかく交渉のチャンネルは常にできるだけ多く確保しておく、ということだけは共通認識となっていますが、現時点では以下の4つのシナリオが語られています。4番目の最悪シナリオももはやブラックスワンではなく、一定の現実味をもったリスクシナリオとなっています。
- 士気の高いウクライナ市民多数の参戦+西側の武器弾薬提供のため、ロシア軍の苦戦が続き、現在のような膠着状態が長期化する。その結果、プーチン大統領も強硬な要求の一部を取り下げ、妥協点を模索し始める。
- (今のところ実現の可能性はあまり大きくないが、時間の経過とともに)ロシア国民や一部新興財閥の反発により、プーチン大統領の政権基盤が揺らぎ始める
- ロシア軍がウクライナ主要都市を陥落させることに成功し、ロシアの傀儡政権樹立にまで漕ぎつける。
- 突発的な事故/誤解やサーバー攻撃の成功などをきっかけとして、NATOとロシアの間で(比較的狭い範囲の)戦術核兵器使用を含む軍事衝突にまで発展する。
このような状況下、ロシア国内の西側企業はロシア政府から
- 従来通りロシアでの経済活動を続ける
- いったんロシアの信託勘定に持ち分を譲り、後から戻してもらう
- ロシアから全面撤退する
の3択を迫られています。
2では後から本当に返してもらえるとはとても思えません(事実上の接収を自発的にさせようとしているようにしか見えない)。西側の経済制裁が予想以上に効果を上げそうということもあり、西側企業が身を締めて自力で嵐をやり過ごすという選択肢はなくなりつつあるように思われます。
HINTERGRUND-Bleiben oder gehen? - Ausländische Firmen in Russland im Dilemma (msn.com)