ウクライナ危機については、本稿執筆(ドイツ時間2/27、午前11時)時点で
が昨日までと比べて大きな動きになっています。
ドイツ目線で重要な事象だけをピックアップしてフォローするには、引き続きこちら(のWEB翻訳)が便利と思います。
状況は刻々と変わるわけですが、①今後数か月の短期目線と、②その先の中長期目線で念頭に置いておくべきポイントを私なりに整理しておきます。
①短期目線
- マーケットは不透明感の高まり/低下に一喜一憂し続ける(特に株やクレジットはリスクプレミアムのフレに振り回されやすい)
- ビジネスセンチメントの急冷、インフレ圧力上昇のダブルパンチで、欧州経済には(短期的に)下押し圧力が高まる
- 近くの戦争であるECB、BOEにとっては、利上げにやや慎重化せざるを得なくなるのではないかという思惑が高まりやすい
- 遠くの戦争であるFEDにとっては、より高まったインフレにより強く対処するのではないかという思惑が高まりやすい
- 本局面で強いリーダーとしての存在感を発揮したマクロン大統領の再選確率は実際に高まっている(6-7割⇒8割超に切り上がったイメージ)
②中長期目線
- 大規模な経済制裁の効果が出て、ロシア経済のマイナス成長長期化が顕著になる
(プーチン大統領に対するロシア国民の不満が相応に高まる可能性大) - オミクロン終息もあり欧州経済はゆっくりと危機前のトレンドに戻る
- ロシア経済とのデカップリング(特に化石燃料依存)加速
- (採算に多少目をつぶってでも)再エネ普及加速
- 西側諸国は軍事支出を大幅に増やす
- 本件の帰結次第で、中国の台湾進攻リスクおよびそもそも中国とどう付き合うかが大きく左右される
- ロシアの民主化が進まない限り、西側諸国VS露(内)間の冷戦状態が継続する
【市場モニタリング用関連リンク】
>ロシア株(MEOX)
>ルーブル(USD/RUB)
>ロシア経済全般(経済指標)
Russia Indicators (tradingeconomics.com)
>原油(ブレント)
>天然ガス(オランダTTF)