日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220601 ドイツ雇用市場、引き続き堅調

昨日ドイツ連邦雇用庁から5月分のドイツ雇用統計が発表されました。
当局としての評価は、ウクライナ危機長期化にも関わらず、ドイツ雇用の改善継続、となっています。

 

以下エッセンスをご紹介します。


●季節調整後の失業者数は▲4千人と減少継続も、▲15-16千人の市場予想比ではやや弱めの着地となっています。
但し、後述の通り、先行指標の改善や操短の大幅減少を伴っており、質的には非常に良好な内容と言えると思います。 


Germany Unemployment Change - May 2022 Data - 1992-2021 Historical - June Forecast (tradingeconomics.com)

 

●失業率は5.0%で、コロナ前の水準をほぼ回復済です(就業者数でも同様)。

Germany Unemployment Rate - May 2022 Data - 1950-2021 Historical - June Forecast (tradingeconomics.com)

 

以下ドイツ連邦雇用庁月報サイト(ドイツ語)より抜粋:

Einzelausgaben - Statistik der Bundesagentur für Arbeit (arbeitsagentur.de)

 

●最も信頼できる雇用の先行指標である、求人数(上線:残高、下線:新規)はコロナ前の水準を超えて力強く増え続けています。



●ifo雇用バロメータ(上記求人数と並ぶ有力なドイツ雇用先行指標)は、小幅ながら上昇し、引き続き高水準を維持しています。 

ifo Beschäftigungsbarometer legt zu (Mai 2022) | Fakten | ifo Institut

 

●操短(勤務時間と給与を減らして雇用を維持するしくみ~給与は公的支援で一部補充される)の減少は、昨年末以降オミクロンに続くウクライナでやや足踏みしていましたが、オミクロン沈静化を背景に再び急減しています(ヘッドラインに反映されない質的改善であり、非常に良い兆候です)。



●スキルなどが低く長期失業となっているハルツⅣ(SGBⅡ)受給者数でも

 着実な減少が続いています。



ちなみにEURIBOR3ヶ月先物は、現時点でユーロ3か月金利が7月上旬にもプラス転換するというプライシングになっています。

Three Month Euribor Futures | ICE (theice.com)