つい先ほどドイツ連邦雇用庁から1月分のドイツ雇用統計が発表されました。
市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、▲15千人と市場予想(+5千人)比非常に強い内容でした。
本ブログで時々ご紹介しているオンライン求人数(青線)が絶好調であることと整合的です。ドイツ製造業がイマイチな中でもサービス業が健闘(赤線:サービス業売上)している一因となっています。
昨年6月からウクライナ難民を失業者カウント対象としたため少し押し上げられていた失業率も、上昇が完全に止まっています。
就業者数(1か月遅れなので12月分まで。上が総数、下が社会保険対象)は、10月+40千人、11月+36千人、12月+24千人と順調に上昇し、過去最高記録を更新し続けています。
●雇用の先行指標である求人数(残高:上線)は、最近下げ渋り始め、コロナ前の水準を上回る高水準が維持されています。
求人の新規流入(下線)が急に落ちてこないか、引き続き注視しています。
●雇用の先行指標であるifo雇用バロメータは、昨夏以降の軟化がいったん止まり、採用と解雇がバランスするくらいの水準(ちょうどコロナ前くらい)での横ばいが続いています(上記求人新規流入と整合的)。
●操短(勤務時間と給与を減らして雇用を維持するしくみ~給与は公的支援で一部補充される)については、コロナによる急増分をほぼ解消しています。
昨年8月44千人、9月57千人、10月98千人、11月101千人と増えた後、12月96千人、1月57千人(1/25までの集計なので上方修正含み)と再び減少に転じています。
景気悪化で労働投入が不要になってくると、こちらが真っ先に急増する(失業増加の先行指標となる)ので引き続き注視していますが、今のところ全然大丈夫そうです。
人手不足による雇用堅調は当面続きますので、今年、来年と2年続けて5%程度の賃上げはマストと思われます。
<データソース>
Germany Indicators (tradingeconomics.com)
Pulsmesser Wirtschaft - Dashboard Deutschland (dashboard-deutschland.de)
ifo Beschäftigungsbarometer gestiegen (Januar 2023) | Fakten | ifo Institut