日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231002 ドイツ雇用は引き続き小じっかり

先週金曜にドイツ連邦雇用庁から9月のドイツ雇用統計が発表されていますので(著変なく小じっかりしているのでやや簡潔に)ポイントを整理しておきます。


●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、10千人とほぼ市場予想(+15千人)沿った内容でした。

 

●失業率は5.7%と(引き続き低水準で)横ばい。



●就業者数(1か月遅れなので8月分まで)は、コンスタントな上昇が続いており、6月前月比+2千人、7月+17千人、8月+35千人(現在45.92百万人)と極めて堅調かつ加速気味です。

 

●しかし、雇用の先行指標ハードデータである求人数(残高:上線)はじりじりと減少が続いています。求人の新規流入(下線)も弱含みに推移していますので、警戒して見ています。


●オンライン求人数は減少傾向がいったん止まり、比較的高水準を維持したまま横ばいで推移しています。


●雇用の先行指標であるIAB雇用バロメータ(青~3か月後の見通しを示唆)が中立(100)より上にあることを確認しつつも、以下のようにMIXな状態(就業者は減りにくいが、失業者は職を見つけにくい)が続いています。

 「就業者数」(緑)~引き続き堅調

 「失業者数」(橙)~増加圧力


●もうひとつの有力雇用先行指標である、ifo雇用バロメータは続落となっています。


●操短(勤務時間と給与を減らして雇用を維持するしくみ~給与は公的支援で一部補充される)については、コロナによる急増分をほぼ完全に解消した後、低位安定推移を続けています。不景気による操業削減で跳ね上がるような気配は見られません。

 

★雇用/賃金周りでは引き続きこちら(週休3日制を巡る議論)が一番重要です。

note.com

 

<データソース>

https://tradingeconomics.com/germany/unemployment-change

https://statistik.arbeitsagentur.de/Statistikdaten/Detail/202309/arbeitsmarktberichte/monatsbericht-monatsbericht/monatsbericht-d-0-202309-pdf.pdf?__blob=publicationFile&v=1

https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft

https://www.ifo.de/fakten/2023-09-27/ifo-beschaeftigungsbarometer-gesunken-september-2023

https://iab.de/daten/iab-arbeitsmarktbarometer/

 

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